段落の役割と設ける意味
どのような文章にも、「展開」があります。
話題の移行、視点の変化、場面の転換、時間の経過など、読み進めるにつれてさまざまな展開をしていきます。
書き手が展開を無視したまま、延々と書き続けてしまったらどうなるでしょう。
意味もなく、長々とつながった文章を読みたくなる人はいないでしょう。
どれだけ内容が素晴らしくても、単なる文字の羅列に成り下がってしまいます。
各々の節目では、それを読み手に示さなければなりません。
段落を設ける意味は、ここにあります。
新たな段落に入るということは、ひとつの話が終わることを意味しています。
段落を設ければ、その節目を、読む前から視覚的に示すことができるのです。
読み手は目で展開を捉えているので、あらためて頭で考える必要はありません。
新たな段落に入るときは、「この段落で書き手は何を伝えたいのだろう」という好奇心を抱きながら、読み進めることができます。
段落があるからこそ、読み手は次の展開に興味をもち、予測することができます。
つまり段落は、小規模な次回予告としての役割を担っている、ということです。
読み手の心境としては、自分では気がつかないほど、微々たる変化かもしれません。
しかし、この積み重ねによって読み手のストレスを減らし、文章を読みやすくしているのです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません