代名詞に頼りすぎない

文章にとって、なくてはならない表現のひとつが代名詞です。

しかし、代名詞の便利さに甘えてしまうと、文章は伝わりづらくなります。

とくにビジネスシーンにおいては、代名詞が思わぬ地雷となってしまうかもしれません。

原文

先日お伝えしたあの件につきましては、ご検討いただけたでしょうか。

とあるビジネスメールからの抜粋です。

「あの件」とはどの件でしょう。

やりとりしている当人たちがわかっているならまだ救いはあります。

しかし、メールを作成した本人しか理解しておらず、相手に伝わっていない可能性も否定できません。

代名詞に頼らず、具体的な名詞を書きましょう。

改善文

先日お伝えした新規売買契約の件につきましては、ご検討いただけたでしょうか。

文学作品とは違い、ビジネスメールは相手にはっきりと伝わる書き方が求められます。

「あの件」だけでなく、「例の件」や「先日の件」などの表現も見られますね。

あいまいな書き方では誤解を招いてしまい、トラブルに発展する可能性もあります。

ただし、問題となるのは、あくまで代名詞に頼りすぎた場合です。

絶対に使ってはならない、というわけではありません。

何を指しているのかが明らかな場合は、代名詞を使ったほうがわかりやすくなるのです。

原文

先日お話した、新規売買契約についてのご連絡です。

新規売買契約の件にきましては、ご検討いただけたでしょうか。

近い距離に同じ単語を並べられた文章は、読み手にくどい印象を与えてしまいます。

このような場合は、代名詞を使ってすっきりさせましょう。

改善文

先日お話した、新規売買契約についてのご連絡です。

この件にきましては、ご検討いただけたでしょうか。

「この件」という代名詞の直前に、具体的な名詞がありますね。

あらかじめ提示することで、「この件」が「新規売買契約」を指していることを明らかにしています。

誤解が生じない程度であれば、代名詞で表現したほうがスマートです。

今回はビジネスシーンに重きをおいた内容になりました。

しかし、そうではない文章であっても、本質は同じです。

代名詞をはじめとする指示語は、何を指し示すのかを明確にしなければなりません。

誤解を生じさせないような書き方で、なおかつ頼りすぎないように、代名詞と付き合っていきましょう。

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