小学生の会話から学ぶ文章術

 

文章が得意な人ほど、長文になりやすい傾向にあります。

その理由は単純です。

書き慣れている人であればボキャブラリーが豊富な上、テクニックがあるからです。

 

しかしながら、「長文=良い文章」とは限りません。

むしろ、伝わる文章を書くには「できるだけ短くすること」が鉄則なのです。

 

これを実感できる例が、小学生の会話です。

少しばかり、童心にかえってみましょう。

 

 

例文1

小学生A : ジャングルジムであそぼー!

小学生B : いいよー!

 

例をみてわかるとおり、無駄な内容が一切ないのです。

 

内容から推測すると、小学校低学年くらいの子どもの会話ですね。

そのくらいの子どもであれば、語彙力は乏しくて当たり前です。

だからこそ、必要最低限の言葉で相手に伝えることができるのです。

 

これこそが、「短い文章のほうが伝わりやすい」の本質です。

書き手は、ここから学ばなければなりません。

 

ためしに、あえて無駄な言葉を使って書いてみましょう。

 

 

例文2

A : あの枠登りなる遊具で戯れたいのですが、いかかでしょうか。

B : 特に異論はありません。

 ※ 枠登り……ジャングルジムのこと

 

ある意味ではシュールでおもしろい文章です。

しかし、先に例文1を読んでいるからこそ合点がいくのであって、わかりづらい文章であることは確かです。

 

「枠登り」が「ジャングルジム」のことだと瞬時にわかる人はそれほど多くないでしょう。

それから、「遊ぶ」を、「戯れる」と言いかえるのは不自然です。

了解する返事としての「いいよ」を、「特に異論はありません」とするのもまわりくどいですね。

 

ありもしない例文と思われるかもしれません。

しかし、実社会には、このように無駄な言葉を含んだ文章が溢れているのです。

まずはこの事実を受け止めて、自分の文章と向き合うことが大切です。

 

自分の文章を見直すときに、例に挙げたような小学生の会話を思い出しましょう。

それにならって無駄な言葉を省いていけば、文章は自然と短くなります。

内容もわかりやすくなり、伝わる文章になるでしょう。

 

Posted by 赤鬼