時制を「現在」⇒「過去」⇒「未来」とつなぐ構成
構成のなかに、時制をどのように組み込むか。
今回は、これについて考えましょう。
一般的に、時制は「過去」⇒「現在」⇒「未来」と流れていきます。
文章を書く場合では、かならずしもこの流れとおりに書かなくても良いのです。
たとえば、新聞記事です。
見出しや書き出しは、起こった出来事から明示している場合が多いですね。
これはまさに、「現在」の状況を読み手に知らせているわけです。
次に、その経緯や詳細を説明します。
このバックグラウンドとなる部分は、「過去」のことですね。
最後に、今後の対応や見通しを述べて締めます。
これが、時制でいうところの「未来」にあたります。
新聞記事で扱う時制は、「過去」⇒「現在」⇒「未来」ではなく、
「現在」⇒「過去」⇒「未来」と流れているのです。
「現在」⇒「過去」⇒「未来」という時制の流れ。
これは、文章において標準的な構成といっても過言ではありません。
新聞記事だけでなく、ネットニュースはもちろん、作文でも、小説でも、スピーチの原稿でも、同様です。
多くの文章で多用されている構成なのです。
理由は単純です。
現在の状況から示して、その背景を語り、未来へとつなぐ。
「現在」⇒「過去」⇒「未来」とつなぐ構成のほうが、読み手に伝わりやすいのです。
自宅の近隣で自動車事故が起こったとしましょう。
まずは、その事故の概要や被害状況について知りたいですよね。
これが「現在」です。
運転手は誰なのか、何歳でどのような職業なのかは、時制でいうところの「過去」にあたります。
そして、その後の事故対応や現状復帰までの見通しは、「未来」というわけですね。
「現在」⇒「過去」⇒「未来」という時制の流れは、読み手の知りたい情報を先に提示するに最適です。
もちろん、「現在」を提示したあとは、「過去」を掘り下げたり、「未来」への展望を示したりと、文章に広がりをもたせるにも効果的な書き方なのです。
より良い文章にするためにも、「現在」「過去」「未来」とつなぐ構成を意識してみましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません