登場人物に選択させる

はじめに、誰しもが聞いたことのある言葉を提示しておきましょう。

「人生は選択の連続である」

言わずと知れた劇作家、シェイクスピアの名言ですね。

私たちの日常では、さまざまな選択肢が大小問わず提示されつづけます。

瞬間的な選択をくり返すことで、それに応じた結果が生じます。

そうして出来あがった「私」によって、人生が紡がれていくのです。

今回の内容は、この考え方を物語に取り入れることが目的です。

登場人物にもそれぞれの人格があり、物語の世界で人生を送っています。

その人物を “その人物たらしめる” ためには、登場人物に選択させることがポイントになります。

たとえば、「主人公が朝食をとる場面」を描くとします。

この状況において、主人公に提示される選択肢はさまざまですね。

① 米と魚とみそ汁を食べる

② パンとシリアルを食べる

③ 飲み物だけで済ませる

④ 用意が面倒だから食べない

⑤ その他

あなたが描く主人公は、どの選択肢をとるでしょうか。

朝食をしっかりと食べたい日本人なら、①でしょう。

洋食が好みなら②で、かんたんに済ませたいタイプなら③ですね。

ズボラな性格であれば、④でも良いです。

つまり、その瞬間に何を選択するかによって、登場人物の性格があきらかになるのです。

だからこそ書き手は、登場人物の選択に気を配らなければなりません。

主人公が真面目でしっかりしている性格だとすれば、きちんとした朝食を食べるのが自然ですね。

「早起きして作った朝食を食べる場面」を描くことで、主人公の性格を如実に表現できます。

もちろん、この主人公が「朝食を食べない」という選択をしてもかまいません。

しかしその場合は、「朝起きることだけは苦手」とか、「その日に限って寝坊した」とか、特殊な要素として取り入れることになります。

特殊な要素である以上、それを「物語を動かすためのハプニング」につなげることが構成上の条件になるでしょう。

パーソナリティを明らかにしたり、キャラクターを際立たせたりするためには、登場人物に選択させましょう。

具体例をもって個別化された人物像は、地の文で説明するよりも、説得力をもって伝えることができます。

「人生は選択の連続である」は、創作においても通用する名言なのです。

書き手は、これを念頭におきながら登場人物を描きましょう。

■ 参考

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