「です・ます」と「だ・である」を混ぜて使う

2017年8月16日

 

文章を書くときには、原則として、文体を統一しなければなりません。

常体(だ・である)と敬体(です・ます調)とを混ぜて使うことはできないのです。

 

しかし厳密にいえば、この認識は間違いです。

「文体を混在させてはけない」と頭ごなしに否定してしまっては、より良い文章を書く機会を失ってしまいます。

 

 

例文

日々、受験勉強に追われています。

勉強なんてしなくても、要領が良ければ生きていけるのだ。

そう思って怠けていた時期を、今となっては後悔しています。

 

 

この例文では、「です・ます調」と「だ・である」が混在しています。

しかし、文章として成立していますね。

 

「です・ます調」で書かれているのは、現在の状況や心境です。

それに対して「だ・である調」で書かれている内容は、過去に書き手が思っていたことです。

文体を書き分けることで、その違いを示しているのです。

 

書き手がこれを理解した上で書き分ければ、他の文とは性質が違ったものを文章に取り入れることができます。

ただし、考えなしに使ってしまうと文章として成立しなくなります。

 

 

 

成立しない例

日々、受験勉強に追われています。

勉強なんてしなくても、要領が良ければ生きていけるのだ。

そう思って怠けていた時期を、今となっては後悔しているのだ。

 

効果的な書き分けができていませんね。

前半と後半で文体が噛み合っていないだけなので、ただルールに反している文章です。

 

このように、文体を混在させるには、使いどころを考える必要があるのです。

適切なタイミングで使い分けることで、ワンランク上の表現ができるようになります。

 

Posted by 赤鬼