小説の構成要素
小説は一体、「何」でできているのでしょうか。
書きはじめる前に、小説を構成する要素について考えましょう。
一般的な小説では、3つの要素から構成されています。
1. 文章
まずは、目に見える部分です。
当然ながら、文章がなければ小説とはいえません。
絵が必要であれば漫画を書けばいいし、動画が必要であれば映画を撮ればいい。
“小説を小説たらしめる”ためには、文章の存在が不可欠なのです。
これは、純文学でも、娯楽小説でも、ライトノベルでも同様です。
文章は、小説にとってもっとも大きな要素といって差し支えないでしょう。
2. ストーリー
次からは、目に見えない部分ですね。
小説を書くうえで、もうひとつ重要になる要素はストーリーです。
ストーリーと聞けば、「あらすじ」のようなものをイメージするかもしれませんね。
いわゆる「場面の展開」ですが、もちろんこれもそのひとつです。
しかしここで定義される内容は、ほかにもあります。
舞台設定や時代背景、登場人物の性格や人数などの、細かな要素もこれに含まれます。
3つの要素のなかでも、ストーリーはもっとも複雑であるといえます。
3. テーマ
最後に挙げるのは、テーマです。
「小説」と銘打つ読み物であれば、どのような作品にもかならずテーマが存在します。
テーマの設定には、主に2パターンあります。
ひとつは、書き手自身が○○について書こうと決めて設定するパターン。
もうひとつは、書いているうちにおのずと浮かび上がってくるパターンです。
たとえば、このような事例です。
● 「仲間との絆」をテーマにして、青春物の小説を書き始めた
● 青春物らしく、途中で「恋愛要素」も入れることにした
● 書き進めるうちに、「優先すべきは恋か、それとも友情か」にテーマがすり替わっていた
どちらかのテーマに絞り込むことは、決して不可能ではありません。
作者がこれを自覚して、比重のかけかたを工夫すれば良いのですから。
一方で、このように成り立ちが異なるテーマであっても、共存は可能です。
テーマとして機能する領域が違うだけで、本来相反するものではないからです。
書き手として重要なのは、テーマの成り立ちを区別できるようになることです。
まとめ
小説のなかには、実験的な作品も数多く存在しています。
そういう意味では、「文章」「ストーリー」「テーマ」の3要素が、絶対条件ではないことは確かです。
しかしそのような例外的な小説を書ける作者は、すでに執筆のノウハウを知っているでしょう。
一般的な作品も書ける作者だからこそ、例外にチャレンジできるのです。
「文章」「ストーリー」「テーマ」
今回は「小説としての体裁」を学ぶという意味で、欠かせない3要素をご紹介しました。
これから執筆にチャレンジする人は、意識して書き始めましょう。
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