相手に要求する表現
文章のなかで、相手に要求する表現を使うことがあります。
そのような表現で書かれた文章は、扱いがデリケートになります。
例を見てみましょう。
恐れ入りますが、速やかにお送りいただくようお願い申し上げます。
この文章は、相手に何らかの行動を促す性質をもっています。
伝える性質をもった文章のなかでも、「要求」や「依頼」といった意味合いが強くなります。
ひとつ間違えると、相手に不快感を与えたり、反発があったりもします。
そこに気をとられすぎると、本来の目的(要求や依頼の内容)を果たせなくなってしまうかもしれません。
書き手は、これらのバランスを気にしながら文章を作成しなければならないのです。
要求や依頼を交えた文章を書くポイントは、大きく分けて3つあります。
まずは、内容の緊急性を考えること。
時間軸をもとに、次のような表現を使い分けます。
大至急 / ただちに / 早急に
速やかに / すぐに / 急ぎで
近いうち / 機会をみて / ○月○日まで 等
期限があれば、それを明記するのが大前提です。
もしも期限があいまいな場合は、内容に見合った表現を使いましょう。
次に、内容の深刻度を考えます。
相手に要求する事柄によって、表現に強弱をつけます。
~するよう命じます / ~するよう要求します
~してください / ~してくれませんか
~していただくようお願い申し上げます / ~していただけないでしょうか 等
強すぎる表現は反感をくらい、弱すぎる表現は内容が伝わりません。
もちろん、ビジネスシーンやプライベートなど、状況をみての使い分けも必要ですね。
読み手のことを考え、やりとりをする場面をみながら、適切な表現を選びましょう。
最後のポイントは、緊急性と深刻度のマッチングをとることです。
× 機会をみて、提出するよう命じます。
○ ただちに提出するよう命じます。
○ 機会をみて、提出していただけるとありがたいです。
緊急性が低いのに、深刻度が高い。
その逆もまたしかりで、こうしたあべこべな文章は読み手を惑わせてしまいます。
緊急性と深刻度のマッチングをとって、文言を組み合わせましょう。
くり返しになりますが、依頼や要求を内容に折り込んだ文章は、その扱いがデリケートです。
大前提として、相手との関係性やそれぞれの立場、やりとりする状況によって、適切な文言を選択する必要があります。
その上で、違和感のないように伝えなければならないのです。
文章を書くときには、相手のことを考えることが重要です。
今回ご紹介した3つのポイントは、そのためのヒントとなるはずです。
ぜひ参考にしてください。
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