文章の意味を把握して、正しい言葉を選ぶ
今回は、言葉選びについて考えます。
ときに書き手は、自分の文が意味する内容を把握できていない場合があります。
厳密にいえば、書き手自身は把握しているつもりでも、適切に表現できていないことがあるのです。
例をみて考えていきましょう。
● 私は、痩せるために、お菓子を我慢する。
● 私は、痩せるために、お菓子を我慢しなければならない。
これら2つの文の意味には大きな違いがあります。
異なる文言は、「我慢する」と「我慢しなければならない」の部分ですね。
ここに注目しましょう。
「我慢する」というのは、主体的な選択です。
つまり、主語となっている「私」が、我慢することを自ら選んだわけです。
ダイエットに向けた積極的な意気込みが伝わってきます。
一方で「我慢しなければならない」は、強制される意味合いが強くなります。
本当は我慢したくないけれど、お菓子を食べることを仕方なく控える。
このニュアンスが読み取れるのです。
同じ「我慢」を扱い、同じような内容で、同じような意味の文章。
しかし、読み手に与える印象は、これほどまでに変わってくるのです。
書き手は、この違いを把握していなければなりません。
当然のことのように思えますが、これがなかなか難しいのです。
並んだ例文で考えると、文末によって「私」の心境が左右されているように見えますね。
いざ執筆するときには、「私」の心境によって、書き手が文末を決める必要があります。
そのためにも書き手は、自分自身が書く文章が意味するところを、的確に把握していることが前提になります。
そして、扱う言葉の意味を正しく理解した上で、伝えたい内容との誤差が生じない表現をしなければなりません。
使い慣れた言葉を、流れ作業のように書き垂らしてしまうのは危険です。
もしも間違った表現を選んでしまえば、本来伝えるべきはずの意味とかけ離れた状態で読み手に伝わってしまうかもしれません。
そうならないためにも、書き手はこれを自覚した上で、正しい言葉を選びながら表現していきましょう。
■ 参考
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