文章を書く「動機」を明確にする【なぜ伝えたいのか】
書き手がなにかを伝えようとするとき、考えが及びやすいのは「伝え方」です。
今回ご紹介するのは、伝え方や書き方といった文章が「開いていく方向」ではありません。
「掘り下げる方向」に目を向け、文章を書く動機について考えます。
書き手がこれを意識することができれば、その文章は強固なものになるでしょう。
「伝えたいことの裏側」を考える
文章には「核」となるものがあります。
いわば書き手が本当に伝えたいことですね。
悪い言い方をすれば、伝えたいことがなければ書く意味がありませんし、読み手もその文章に価値を見出せないでしょう。
文章を書く「動機」とは、伝えたいことの裏側にあります。
つまり書き手は、「なぜそのことについて伝えたいか」について考えるわけです。
「書きたいから書く」では不十分
極端にいえば「書きたいから書く」のであって、これについて掘り下げることはさほど重要でないように思えます。
もちろん、難しいことを一切考えずに文章を書くことはあるでしょう。
脱力しながら書いた文章が、結果として高く評価されることもあります。
しかしながら誰かになにかを伝えることが前提であれば、話は変わってきます。
なにかを伝えようとするときに「書きたいから書く」であれば、独善的な文章になったり、内容に過不足が生じたりする恐れがあるのです。
だからこそ、漠然とした状態では不十分です。
なにかを伝えるために筆をとるのであれば、書き手は書く動機を明確しておく必要があります。
「意味」や「目的」につながる
動機を明確にすることによって、「書きたいから書く」では見えてこなかったものが浮き彫りになります。
例
● 知らずに困っている人がいるから
● 誰かの人生を豊かにする情報だから
● 世の中のためになると信じているから
● 後世に残しておく価値がある内容だから
● 自分だけでは到底抱えきれないことだから
書く動機として挙げられたこれらは、実際の執筆に大きな影響を与えます。
動機を明確にすることによって、自然と読み手を意識したり、文章がどのように読まれるかを想定したりするでしょう。
執筆途中に動機を見つめ直せば、文章を書く目的に立ち返ることになり、軌道修正もすぐにできます。
つまり動機を明確にすることによって、本質的な「意味」や「目的」を考えることにもつながるのです。
「なぜそのことについて伝えたいのか」の答えは、かんたんに言語化できるものではないかもしれません。
しかし「なにかを伝えたい」と思う以上、どこかにかならず答えがあるはずです。
書き手は、文章を書き出す前にこのことについて深く考える必要があります。
可能な限り具体的にしておくことで、文章全体を支える存在になるでしょう。
■ 参考
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