「書き出し」は最後に書く
書き出しがもつ大きな役割のひとつは、その後に続く内容への導入ですね。
この役割を果たすため、書き手は頭をフル回転させて文言を考えます。
ひとつ、良質な書き出しにするためのかんたんなコツがあります。
それは、書き出しから書かないということ。
いまいちピンとこない、という人も多いでしょう。
次に執筆プロセスの例を挙げるので、ご覧ください。
① 書き手がもっとも伝えたいメッセージを書く
② それを補完する内容を書く
③ 最後に「書き出し」を書く
執筆する文章によっては、そのプロセスに多少の違いはあるでしょう。
しかし大まかに考えれば、上記のような流れで書いて差し支えはありません。
ポイントは、文章においてどの内容が優先されるべきかを考えることです。
最優先すべきは当然、①にある「伝えたいメッセージ」ですね。
少し乱暴な言い方かもしれませんが、②や③の内容は、伝えたいことをしっかり伝えるための引き立て役でしかないのです。
これを無視して、最初から書き出しに手をつけてしまうとどうなるでしょうか。
懸念すべきは、大風呂敷を広げた状態で書かなければならないことです。
内容が限定されていないため、多くの場合でキャッチーさに欠けた無難な文言になるでしょう。
それだけならまだしも、本筋とのズレが生じる可能性も高くなります。
いずれの場合も、導入としての機能しない書き出しになってしまうのです。
そうならないよう、書き出しを考えるのは最後でいいのです。
たとえば、リレーの第1走者がバトンを落としてしまえば、それは重大なミスになりますね。
文章にとって書き出しが重要であることは自明ですが、「一発勝負」のような緊迫した状況ではないはずです。
上手にバトンをつなぐために、まずは伝えたい内容を優先で書くこと。
そうすれば、スムーズに読み手を引き込める書き出しになるはずです。
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