「ありふれたストーリー」は当たり前
たとえば、このようなストーリーがあるとします。
① とある男女が付き合うことになった
② 楽しい日々を過ごしていた
③ ほどなくして、彼氏が浮気をした
④ その結果、別れることになった
誰にでも起こりうるような、ありふれた話ですね。
「おもしろみがない」と感じた人も多いでしょう。
実のところ、小説におけるストーリーとはこのようなありふれたものだったりするのです。
というのも、上記は「起承転結」で構成された典型例です。
① とある男女が付き合うことになった ・・・起
② 楽しい日々を過ごしていた ・・・承
③ ほどなくして、彼氏が浮気をした ・・・転
④ その結果、2人は別れることになった ・・・結
前提となる状況があり(起)、それが展開されていく(承)。
何かしらの変化によってある局面を迎え(転)、結末にいたる(結)。
これこそが、ストーリーの原型なのです。
ベストセラーとなったエンターテイメント小説でも、このような原型に忠実なストーリーをたどっていることも珍しくありません。
思い当たる作品を読み返して、大まかなストーリーをすくい上げてみましょう。
きっと、「ありがちだ」とバカにできなくなるはずです。
書き手は、ついつい劇的な展開を書きたくなるものです。
良い意味で読者をダマすような、斬新なストーリーです。
もちろん、ストーリーの展開で違いを見せることも大事です。
しかし、変則的なカタチにこだわりすぎると、なかなか書き進められません。
それよりもテーマや舞台の設定、情景や登場人物の心理の描き方などに力を注ぐことをおすすめします。
なにより、そのほうがよっぽど小説家らしい書き方だといえますね。
ありふれたストーリーは、決して恥ずかしいことではないのです。
一度、不要なこだわりは投げ捨ててしまってかまいません。
まずは原型で書けるようになることを目指しましょう。
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