それぞれの場面に「着地点」を設定する
今回は、場面を描くときの具体的な考え方についてご紹介します。
場面が担う大きな役割のひとつは、物語を繋げていくことです。
だからこそ、ひとつひとつの場面に「着地点」を設定することが重要になります。
かんたんな例を挙げましょう。
● 主人公がヒロインと出会う場面
着地点 ⇒ 「お互いを認知する」
① 主人公が電車のなかで可愛らしい女性を見かける
② 主人公は大学の講義室に入り、空いている席に着く
③ すると主人公の隣に、電車で見かけた女性が座った
④ 女性から「テキストを見せてほしい」と言われる
⑤ そこで、二人は知り合う(着地点)
主人公がヒロインと出会う場面を描くにあたって、「お互いを認知する」ことを着地点としました。
さまざまな前フリは、着地点に向かうプロセスとして必要なものです。
そして、最終的には④のタイミングで着地するわけですね。
このようにして、その場面において到達すべき着地点をそれぞれに設定します。
● 主人公がヒロインとデートする場面
着地点 ⇒ 「交流を深め、お互いを意識する」
● 主人公がヒロインと喧嘩する場面
着地点 ⇒ 「乗り越えるべき障害を設ける」
● 主人公がヒロインに告白する場面
着地点 ⇒ 「最後に、めでたく結ばれる」
細かな段階は省略しましたが、どの場面でも同じように構築していきます。
それぞれの場面に着地点を設定していれば、そこに到達するための道筋がおのずと見えてくるはずです。
前後関係も踏まえながら、到達に向かって筆を進めていくことで、ひとまとまりの場面が出来上がるでしょう。
書き手は、無策のまま場面を描くべきではありません。
着地点を設定しなければ、その場面の存在意義があいまいなものとなってしまいます。
これは、読み手にとって「退屈な場面」や「つまらない場面」の原因にもなり得ます。
せっかく書くのであれば、しっかりとした「意味」や「目的」をもたらしたほうが良いはずです。
そのためにも、それぞれの場面に明確な着地点を設定しましょう。
■ 参考
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