こそあど言葉で表現する
こそあど言葉とは、代名詞や限定詞として使われる指示語です。
「これ」「それ」「あれ」のように、事柄を指し示す働きをもっています。
典型的な指示語ではありますが、そもそも何のために使うのでしょうか。
原文
綺麗なピンク色の花が、テーブルに置かれていた。綺麗なピンク色の花は、彼からのプレゼントだった。
長い主語が繰り返されると、読み手はうんざりしてしまいます。
理解するまでに読みづらくなるので、文章はわかりづらくなります。
このような場合に、こそあど言葉が活躍します。
改善文
綺麗なピンク色の花が、テーブルに置かれていた。これは、彼からのプレゼントだった。
こそあど言葉を使えば、「綺麗なピンク色の花」という長い主語を名詞化することができます。
たった二文字で受けることができたので、文章はわかりやすくなりました。
こそあど言葉を使う意義は、ここにあるのです。
ただし、指し示す事柄との距離には注意が必要です。
原文
年代もののウイスキーには、甘さひかえめのチョコレート、それからミックスナッツを添えました。これは私のお気に入りです。
この文の書き手が「お気に入り」なのは、一体どの部分でしょう。
ウイスキーかチョコレート、それともミックスナッツ。
もしくは、全部含めてお気に入りなのかもしれません。
わかりやすく伝えるには、こそあど言葉が指し示す内容を明確にしなければならないのです。
たとえば、「ウイスキー」を指し示す場合は、このようになります。
改善文
年代もののウイスキーは、私のお気に入りです。これに、甘さひかえめのチョコレート、それからミックスナッツを添えました。
こそあど言葉を使うときのポイントは、できるだけ近い場所におくことです。
指し示す事柄が遠いときは、文章を書き換えることも必要です。
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