連用中止「、」の使い方
文章において、重要な役割を担うのが読点「、」の使い方です。
今回は連用中止と呼ばれる用法について、基本的な使い方をご紹介します。
連用中止とは、動詞の連用形と読点をあわせて成り立ち、二つの文を一つにまとめる役割を果たします。
テ形接続と同じような役割ですが、実際には大きな違いがあります。
連用中止では、つながった文の前後関係が区別されるのです。
例文
よく食べ、よく眠る。
何の変哲もない文ですが、書き手側の目線でこれを分析しましょう。
食べながら寝ることはできないので、「よく食べる」と「よく眠る」は区別して考えなければなりません。
このような場合に、連用中止を用います。
別の例も見てみましょう。
原文
彼はギターを弾いてドラムを叩いた。
「ギターを弾いた(従属節)」と「ドラムを叩いた(主節)」を、テ形接続でつなげた文です。
テ形接続では、従属節と主節が一つのかたまりとする原則があります。
つまり、原文のままでは、ギターとドラムを同時に演奏したと読み取られる可能性があるのです。
現実的に、それは不可能ですね。
このような場合には、連用中止を使います。
改善文
彼はギターを弾き、ドラムを叩いた。
冒頭にあったように、連用中止では従属節と主節が区別されます。
こうすることで、ギターを弾き終えてからドラムを叩いたと、自然に解釈できます。
日本語には、ある程度の齟齬があっても理解できるような含みがあります。
たとえ原文のままでも、改善文での解釈をする人がほとんどでしょう。
読み手にとって、この違いは微小なものなのかもしれません。
しかし連用中止は、特に使う機会が多い用法です。
書き手として、これを無視することはできませんね。
正しく書くために、この違いを理解し、使い分けることができるようになりましょう。
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