述語が共用できない場合
述語の共用については、こちらでご紹介しました。
今回は、述語が共用できない場合について考えてみましょう。
原文
その土地では、郷土料理や伝統芸能を観た。
この文に違和感を覚えませんか?
述語の「観た」に対応する語句は「郷土料理」と「伝統芸能」のようです。
「伝統芸能」を観るのは問題ないのですが、「郷土料理」を観るのは日本語として不自然ですね。
仮に「観た」ではなく「見た」のであれば、郷土料理を目視したということになります。
そうなると、食べていないということなのでしょうか。
いずれにせよ、解読にエネルギーを必要とする文章ですね。
このように、語句に対して適切でない述語は、共用できません。
無理にくっつけてしまうと、わかりづらいだけでなく、意味が通じないのです。
述語が共用できない場合の解決策は、対応する述語を書き加えるしかありません。
原文を改善してみましょう。
改善文
その土地では、郷土料理を食べて、伝統芸能を観た。
・「郷土料理」⇔「食べて」
・「伝統芸能」⇔「観た」
適切な述語を書き加えることで、自然な文章になりました。
これなら文の意味がスッと理解できますね。
今回の内容は、執筆に慣れている人でも注意が必要です。
一見、文章が成立しているように見えるので、見逃してしまいがちです。
急いで書いている場合は、特に気をつけたいですね。
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