述語が共用できない場合

2017年8月20日

 

述語の共用については、こちらでご紹介しました。

述語の共用

今回は、述語が共用できない場合について考えてみましょう。

原文
 その土地では、郷土料理や伝統芸能を観た。

 

この文に違和感を覚えませんか?

述語の「観た」に対応する語句は「郷土料理」と「伝統芸能」のようです。

「伝統芸能」を観るのは問題ないのですが、「郷土料理」を観るのは日本語として不自然ですね。

 

仮に「観た」ではなく「見た」のであれば、郷土料理を目視したということになります。

そうなると、食べていないということなのでしょうか。

いずれにせよ、解読にエネルギーを必要とする文章ですね。

 

 

このように、語句に対して適切でない述語は、共用できません。

無理にくっつけてしまうと、わかりづらいだけでなく、意味が通じないのです。

 

 

述語が共用できない場合の解決策は、対応する述語を書き加えるしかありません。

原文を改善してみましょう。
改善文
 その土地では、郷土料理を食べて、伝統芸能を観た。

 

・「郷土料理」⇔「食べて」

・「伝統芸能」⇔「観た」

 

適切な述語を書き加えることで、自然な文章になりました。

これなら文の意味がスッと理解できますね。

 

 

今回の内容は、執筆に慣れている人でも注意が必要です。

一見、文章が成立しているように見えるので、見逃してしまいがちです。

急いで書いている場合は、特に気をつけたいですね。

 

 

Posted by 赤鬼