述語を共用する

2017年8月20日

 

文章をわかりやすくするためには、できる限りシンプルに書くことが重要です。

そこで使われる手法のひとつが、述語の共用です。

 

原文
 海外旅行は、お金もかかるし、時間もかかる

この文の述語は、赤字で示した「かかる」です。

それに対応しているのは「お金」と「時間」ですね。

どちらも、費やすという意味の述語が使われているので、共用してみましょう。

改善文
 海外旅行は、お金も時間もかかる

 

述語を共用したことで、文章がすっきりしました。

原文と比べると、意味なく羅列されている語句がまったくないですね。

無駄が排除された、わかりやすい文だといえます。

 

 

 

述語の共用は、絶対にやらなければいけないことではありません。

原文を読んでわかるとおり、意味が通じないことはないですし、話し言葉であればまったく違和感を覚えない表現でしょう。

その部分を強調したいとか、あえて繰り返すことでリズムを生み出したいとか、意図して共用させないという選択肢もあります。

 

ただし、よほどこだわりがない限りはやめたほうが無難です。

特に実用文においては、できる限り簡潔で明瞭な表現を使うことが好まれます。

読点を打つ回数が増えますし、述語を間違って共用してしまうかもしれません。

述語が共用できない場合

 

まずは、文章を単純にすることを念頭におきましょう。

複数の述語において、意味が共通している場合は、積極的に共用してください。

Posted by 赤鬼