「上・中・下」を使った表現

今回は、「上・中・下」を使った表現についてご紹介します。

考えるべきは、文章にとってこの表現が必要かどうかです。

この時点では、まだピンときていないかもしれませんね。

「上・中・下」を使った表現とは、次のような文を指します。

原文

・無理難題であることを承知したで、正しい行動に移さなければならなかった。

・判断を迫られている、私は誰かの力を頼りたくて仕方がなかった。

・その状況において、逃げることは許されなかった。

それぞれの文のつなぎ目に、「上・中・下」を使った表現が見られますね。

このように、「上・中・下」は、接続詞の代わりとして用いることがほとんどです。

しかし、ここで少し冷静になって考えてみましょう。

文のなかで使われている「上・中・下」は、本当に必要でしょうか。

試しに、「上・中・下」を除いて書き直してみます。

改善文

・無理難題であることを承知しながらも、正しい行動に移さなければならなかった。

・判断を迫られた私は、誰かの力を頼りたくて仕方がなかった。

・その状況において、逃げることは許されなかった。

多少の書きかえはあったものの、ほとんど同じ意味で読み取ることができますね。

「上・中・下」がなくても意味は通じることがわかりました。

むしろ、僅差ではあるものの、改善文のほうがわかりやすくなったようにも思えます。

原文は堅い印象を受けましたが、改善文ではそれが緩和されているため、スムーズに読むことができるのです。

この場合、「上・中・下」は不要であった、と結論付けて差し支えないでしょう。

ただし、決め付けは禁物です。

次に挙げる例を見てみましょう。

例文

・教育上、あまり良くないだろう。

・五月雨の中、彼女は悲しそうな顔をしていた。

・師匠の下で、私は何年も学んだ。

どれも、わかりやすく読める文です。

それだけでなく、「上・中・下」がなければ、内容を大幅に変更せざるを得ないものばかりです。

このように、必ずしも「上・中・下」を使った表現が悪いわけではないのです。

書き手にとって重要なのは、「上・中・下」が必要かどうかを判断することです。

適材適所、臨機応変に、使っていくべきなのです。

もっとも悪いケースは、意識せずに使ってしまうことですね。

書きかえが可能だからこそ、文の意味や全体の流れを見ながら、適切な表現を考えなければなりません。

こうした思考を経て、もっとも伝わるであろう表現を選びながら書いていくのです

「上・中・下」を使った表現は、意識して扱うようにしましょう。

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