助詞「の」について
今回は、助詞「の」について考えていきましょう。
この助詞が使われる場面は、主に4つあります。
一般の文章で「の」が使われるのは、これら4つの場面です。
どれもこれも、「ああ、なるほどな」と思えるようなものばかりですね。
それほど難しくないように感じます。
しかしながら、油断は禁物です。
どうにも「の」の使い方を誤解しているとしか思えない文章を目にすることがあります。
ここで使われている「の」は、文章にどのような意味付けをしているのでしょうか。
とりあえず、④(質問するとき)ではないことは確かです。
③(断定するとき)かもしれませんが、②(物事を示す)でもおかしくありません。
はっきりしないとなると、①(所有を示す)でしょうか。
その可能性はありますが、いずれにしても確かなことは言えません。
「の」を使ったばかりに、意味があいまいになってしまいました。
この場合は、以下のように改善してみましょう。
「提案書」に対する主語は、「君」です。
ここでは「の」ではなく、主語を示す「が」を用いるほうが適切です。(文章全体の主語ではありません。)
理屈はさておき、こちらのほうがしっくりくる文章になったことは確かですね。
例に挙げたとおり、他の助詞に比べて、「の」の使い方は特にシビアです。
なぜなら、違和感が少ないからです。
「君の作った提案書を参考にさせてもらうよ。」と書かれたメールを読んでも、特に違和感を覚えずスルーしてしまう人のほうが多いでしょう。
意味を紐解いて考えることで、初めて、適切な表現が他にあると気づくのです。
どのような助詞を使うときにでも、文章への意味付けは必要です。
あいまいな使い方でも通用してしまう「の」は、特にその意味を考えなければいけません。
どっちつかずな使い方にならないように注意しましょう。
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