ニュアンスの違いは「たった一文字」から生まれる
よく見聞きする、ニュアンスの違いについて考えます。
そもそも、ニュアンスの違いが生まれる要因は、何なのでしょうか。
最初に答えを提示しておきます。
そのもっとも大きな要因は、「てにをは」の使い方です。
例文を読んで考えていきましょう。
例文
A. 佐藤さんが、会長です。
B. 佐藤さんは、会長です。
一見すると、これらの例文はどちらも同じ意味で、同じ使い方をするように思えますね。
しかしAの例文では、すでに佐藤さんのことを知っている前提で書かれているように感じます。
対してBの例文では、それまで佐藤さんのことを知らなかったような書き方をしています。
これが、ニュアンスの違いです。
「てにをは」の使い方によってニュアンスの違いが生まれるのです。
例文をみてわかるとおり、ニュアンスの違いによって文の意味合いも変わっています。
当然ながら、これは全体に影響を及ぼします。
小説を書く場合は、特に注意が必要です。
それまで佐藤さんが登場していなかったのに、突然「佐藤さんが会長です」と書かれていたら、読み手は混乱してしまいますね。
「てにをは」の使い方を失敗しただけで、描写している人物や物事が伝わらなくなってしまいます。
書き手が意図したものであれば良いのですが、単なるミスであれば目も当てられません。
たった一文字、たった一文だとしても、ないがしろにしてはいけません。
些細なニュアンスの違いが、文章の出来の善し悪しを左右します。
「てにをは」が意味するところをよく考えて、大事に書きましょう。
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