書くべき情報をもれなく伝える
「言わなくてもわかるはず」と、タカをくくってはいけません。
書き手にとっての「当たり前」が、読み手に通用するとは限らないからです。
書くべき情報を明らかにしなければ、内容そのものが伝わらなくなってしまいます。
原文
最近、やけに暑い日が続いている。
先日行われた人気バンドのコンサートでは、数十人の観客が救急搬送されたそうだ。
この内容では、書くべき情報が不足しています。
なにを書き足せば、より良い文章になるのでしょうか。
改善文
最近、やけに暑い日が続いている。
先日行われた人気バンドのコンサートでは、数十人の観客が熱中症になり、救急搬送されたそうだ。
原文では、何が原因で救急搬送されたのかが明確になっていませんでした。
「暑い日が続いている」との前置きがあるので、勘の良い人なら「熱中症だな」と読み取れるかもしれません。
しかし、そうでない人にとっては意味の通じない文章でしかないのです。
いずれにしても、読み手の解釈に頼る書き方は好ましくありません。
改善文のように、誰にでもわかるように書くことが重要です。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
主な原因は、「書いた気になってしまった」ところにあります。
例文から考えてみると、「暑い日が続いている」の文言で、「熱中症」という言葉を書いた気になってのでしょう。
いわば人的ミスなので、書くべき情報の不足はどんな書き手にも起こりうることなのです。
対策は、意外にも単純です。
常に読み手のことを考えて書くこと、これに尽きます。
読み手を置き去りにせず、伝わるように書けば、情報の不足は起こりえません。
書くことばかりに気を取られ、独りよがりな文章になっていませんか?
今一度、見直してみましょう。
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