使役表現の使い方に注意する
「~させる」と言い表すときに使う形態を、使役(しえき)といいます。
使役表現は、次に挙げる3つの言い回しが基本となっています。
使役表現の基本
● ~させる 例 : お客さんを満足させる。
● ~せる 例 : 資料の提出を急がせる。
● ~しめる 例 : 会社の実態を世間に知らしめる。
よく見聞きする言い回しばかりですが、これらの表現を使うときには注意が必要です。
ありがちなのは、以下のような使い方になっている文章です。
原文
A. かばんの中身、見してもらってもいいかな。
B. そんなに笑わさないでよ。
あとに続く言い回しによって変則的になっていますが、どちらも使役表現が使われている文です。
Aでは「見せる」、Bでは「笑わせる」ですね。
どちらの文を読んでも、伝えようとしている意味は通じます。
しかし両方とも、間違った使い方をしています。
改善しましょう。
改善文
A. かばんの中身、見せてもらってもいいかな。
B. そんなに笑わせないで。
原文では「見してもらってもいいかな」「笑わさないで」となっていましたね。
この「し」と「さ」、文法的には間違いです。
改善文のように、本来は「せ」とするべきなのです。
このようなことが起こる原因としては、上記で挙げた基本となる3つの言い回しを混同して使っているのだと考えられます。
話し言葉なら聞き流してもらえるかもしれませんが、書き言葉であればそうはいきません。
このような間違いを防ぐためには、良質な文章をたくさん読んで、正しい表現を自分自身に染み込ませることが大切です。
そうすることで、適切な表現を自然に使うことができるようになります。
もちろん会話するときにも、間違った表現を使わないように心がけましょう。
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