文学賞に応募するときの禁忌

秋から春先にかけて。

主要な文学賞は、この時期に作品応募の締め切り日を設定しています。

いよいよ大詰めを迎えている書き手も少なくないでしょう。

今回は、応募に関する禁忌について考えます。

ずばり、ひとつの作品を複数の文学賞へ応募することです。

重複応募や、二重投稿といわれたりもしますね。

この行為は、多くの主要な文学賞にて禁止されています。

理由はさまざまなありますが、今回は「マナーを守る」という観点から話を進めていきます。

重複応募したくなる、その気持ちはわかります。

しっかりと読んでもらえるだろうか。

自分の作品を理解してくれるだろうか。

また、そういう人に読んでもらえるのだろうか。

選考の内容は書き手が見えない部分です。

なおかつ小説というものは、良し悪しを判断する明確な基準がありません。

デビュー前の書き手からすれば、不安でいっぱいわけですね。

少しでも可能性を増やしたいと思うのは当然です。

しかし、だからといって、複数の賞に応募しても良い理由にはなりません。

ひとつ、事実として明らかなことがあります。

小説はひとりでも書くことができますが、出版するとなればたくさんの人が関わるのです。

つまり、重複応募はそのたくさんの人たちを裏切る行為といえます。

このことは、デビューしてからの執筆活動についても同様です。

たとえば、編集者から「直しの指示」が入り、その内容に不満を感じることがあります。

それを受けて、原稿を別の出版社に持ち込んだとします。

要するに、ダブルブッキングですね。

いわゆる「中の話」ですが、編集者は作品を仕上げるために奔走しています。

さまざまなところと板ばさみになりながら、なんとか社内合意を取り付けていたりもするのです。

他の出版社とのダブルブッキングは、書き手に対する信用問題に発展します。

もう一度繰り返します。

小説はひとりでも書くことができますが、出版するとなればたくさんの人が関わるのです。

作る人たちへのリスペクトに欠ける書き手が、継続して活躍できるとは思えません。

話をデビューする前に戻します。

応募する段階で自分本位な姿勢が見られる書き手に対して、出版する側が「一緒に仕事をしたくない」と思うのは当然ですね。

そもそも、募集要項にて禁止されていれば、書き手がそれを破るメリットはありません。

どれだけよく書けている作品でも、対象外として扱われてしまうのですから。

バレるかどうか、入選するかどうか、法的にどうなのかは、二の次三の次です。

人としてのマナーは守るべきです。

今後、作家として活躍するつもりであれば、重複応募はやめましょう。

■ 参考

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