文章で時間軸を調整する

今回は「時間軸の調整」について、基本的な考え方をご紹介します。

当然ながら作品のなかには「世界」があり、そこには「時間軸」が存在します。

書き手は、文章でその進行スピードを調整しなければなりません。

小説に使われる文章は、「説明」「描写」「会話」の3つに大別できますね。

これらの文章はそれぞれ、時間の進み方に対して「アクセル」「ブレーキ」「ニュートラル」として機能します。

説明文はアクセル

説明文は、時間を進めることができます。

たとえば「それから3年後」という表現。

この一言で、3年もの月日が経ってしまうのです。

それでなくとも、「説明する」ということは、「読み手に対して理解を促す」ということです。

抽象的な文章ばかり書いていては、物語はいつまでも進展しません。

説明文で直接的な表現をすることによって、作中の時間を進めることができるのです。

描写文はブレーキ

描写文は、時間の流れを遅らせます。

わかりやすいのは、情景の描写です。

風景や景色を描くときは、まるで写真を撮ったかのように場面を切り取ろうとするでしょう。

場合によっては、「停止」に近い状態になることもありえますね。

内面を描写するときも同様です。

登場人物の心情を描いたとき、その文章は精神世界を表現していることになります。

現実世界とは別の時間軸に読み手をおくため、全体の流れとしては遅れをとることになるのです。

描写文は、このように読み手を立ち止まらせることに意味があります。

時間がゆっくりと流れるからこそ、読み手に「趣き」や「深み」を感じさせる表現を描くことができます。

書き手としては、作品がもつ魅力を発揮できる機会でもありますね。

会話文はニュートラル

会話文は、物語と同時進行で時間が進みます。

説明文や描写文とは異なり、少し特殊に思えるかもしれませんが、実はもっともわかりやすいのがこの会話文です。

というのも、原則として、会話文単体では時間の流れに影響を与えることができないのです。

「あなたのことが好きです」といっているうちに3ヶ月も経っていた、なんてことはありえないですね。

登場人物同士で会話がしている間、読み手は、物語の進行によりそっている状態にあります。

つまり作中の時間は、早まるわけでも、遅れるわけでもなく、リアルタイムで進行していくのです。

扱いに注意するとなれば、回想シーンでの会話を描いたときや、誰かの発言を引用したときなどです。

この場合、文章の性質を紐解くとほとんどが説明文に分類されるため、これに含まれません。

リアルタイムで進行するのは、標準的な会話文に限るということを覚えておきしょう。

書き手が作中の時間軸を調整するためには、それぞれの文章がもつ役割を理解することが先決です。

これらを使いこなしながら、作中の世界を構築していきましょう。

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