おもしろいのかどうか、不安に思うとき
執筆の途中、一抹の不安を感じることがあります。
「この小説は、おもしろいのだろうか」
結論からいいましょう。
世に出る前から、小説における「おもしろさ」を判断することはできません。
自分の作品と向き合うことで不安を拭おうとしても、おそらくあまり効果は期待できないでしょう。
「別の表現が良いのではないか」
「悪い筋に入っているのではないか」
「そもそも、テーマや設定を見直したほうがいいのではないか」
と、泥沼にハマりがちです。
こういうときは、開き直ることも大事です。
たとえば、売れっ子小説家が渾身の力作を書いたとします。
しかし、肝心の売れ行きを保証してくれる人は誰もいません。
当然ながら、出版社としては売れる見込みがあるからこそ世に出すのであって、ビジネスとしてある程度の予測や戦略を立てているのは自明です。
ただし、その小説を買うかどうかは、不特定多数の購買層が判断することであり、
さらにいえば、その小説がおもしろいかどうかについては読み手が判断することです。
プロですらわからないことに頭を悩ませても仕方ありません。
誤解を防ぐために書きますが、小説をより良いものにするための苦悩は、決して悪いことではありません。
「産みの苦しみ」ともいえますが、クリエイティブな仕事をしている人であれば誰だって経験することです。
いわば、「程度の問題」です。
熟考を重ねることによって、いつの間にか「いびつな物語」が出来上がってしまうのは残念です。
せっかく頭を悩ませ、手間をかけるのであれば、その分洗練された作品するべきです。
ポジティブな方向に変化させるべく、開き直るタイミングを見計らう勇気も必要なのです。
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