信頼できる統計を使う
統計の結果は数字で表されているため、主張の根拠として有効に働きます。
これを持ち出せば文章の説得力が増し、読み手の信頼を得ることができるのです。
しかしそれは、信頼できる統計データに限ってのことです。
どれだけ正しいことを書いたとしても、信頼できない統計を取り入れてしまえば文章が台無しになります。
たとえば、全校生徒500人の高等学校で「靴下を学校指定の制服に含めるべきか」を校内新聞の記事として取り上げるとしましょう。
「靴下を学校指定の制服に含めるべきか」について、50人の生徒を対象にアンケートをとりました。
● 含めるべき ・・・・・・・・・・ 10人
● 含めるべきでない ・・・・・・・ 40人
調査対象になっているのは、たった50人です。
これではあまりにも少なすぎて、実態を反映してるとはいえませんね。
このようなデータを、「統計的に有意でない」と表現します。
「靴下を学校指定の制服に含めるべきか」について、全校生徒を対象にアンケートをとりました。
● 含めるべき ・・・・・・・・・・ 90人
● 含めるべきでない ・・・・・・・ 385人
● わからない ・・・・・・・・・・ 25人
全校生徒に対して調査を行えば、このデータは信頼できるということになります。
極端な例ではありますが、「統計的に有意である」といえるでしょう。
書き手自身が統計的に有意な数を算出することは、かんたんではありません。
もはや統計学の領域になるので、許容誤差や信頼水準など、さまざまなことを考慮する必要があります。
教養として統計学を学ぶのは良いことですが、極めるまでには相当な時間がかかります。
さらにいえば、実際に調査を行うことも相当な労力を必要とします。
だからこそ、引用や参照を上手く使うのです。
個人であればなおのこと、無理に調査を実施する必要はありません。
統計的に有意でないデータを持ち出すくらいなら、信頼できるデータを他所から引っ張ってきたほうが良いのです。
もちろん、引用元の記載など、ルールを守りながら書くことは大前提です。
これは、書き手が楽をするためのものではありません。
信頼できる統計を持ち出すことによって、読み手にとって有益な情報になります。
さらにいえば、統計の調査結果を活かすための機会となります。
他の人の苦労を無駄にしないためにも、良質な文章になるよう心がけることも大切ですね。
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