助詞「が」について

2018年12月4日

 

今回は助詞「が」について考えていきましょう。

よく使われる助詞のひとつですが、この助詞が活躍する場面はたった2つしかありません。

 

 

「が」を使う場面

① 主語を示すとき     例 : あの山富士山です。

② 逆説を示すとき     例 : 頑張ったうまくいかなかった。

 

もっとも多く使われるのは、①のような場面でしょう。

これが出来なければ文章が書けない、といっても過言ではありません。

 

②は逆説なので、相反することをひとまとまりの文で伝えたいときに使います。

「しかし」や「けれど」のような接続詞を使うことなく、コンパクトに表現できます。

 

 

こうしてみると、基本となる使い方はとてもシンプルです。

しかし当然ながら、注意すべきポイントはあります。

 

 

原文

私は推理小説好きです、近頃は忙しいのでじっくり読む時間ありません。

 

この文では、主語を示す「が」と逆説を示す「が」を近いところにおいています。

特に前半の「推理小説が」と「好きですが」を見ると、隣り合わせになっていることがわかります。

 

短い間に連続して同じ音が出てくると、文章に小さな違和感をもたらします。

さっそく改善してみましょう。

 

 

改善文

私は推理小説好きです。しかし、近頃は忙しいのでじっくり読む時間ありません。

 

逆説を示す「が」を、接続詞に置きかえてみました。

このように文を区切れば、読み手は「息つぎ」ができ、スラスラと読めるのです。

 

どうしても逆説を示す「が」を使いたいのであれば、このように書いてみてはいかがでしょうか。

 

 

改善文

私は推理小説好きです。以前は暇さえあれば読んでいたのです、近頃は忙しいので読む時間ありません。

 

少し文言を足して、逆説を示す「が」の登場するタイミングをずらしました。

ほぼ等間隔になり、バランスよくまとまりましたね。

 

どのような用法でも、使いすぎには注意しなければなりません。

 

とくに「が」のような馴染みのある格助詞は、深く考えることなく使ってしまう場合が多いです。

連続した音や表現を避けるのはもちろん、全体のバランスを見ながら意識して使うことも重要です。

 

Posted by 赤鬼