「説明」と「描写」について【書き方の違い】
文章の書き方で混同しがちなのは「説明」と「描写」です。
書くときには”描写”のつもりであったとても、なにかを描くことで読み手にその様子を知らしめることに変わりはありません。
そのため、「結局のところ説明と変わらないのでは?」と感じる人も少なくないでしょう。
結論からいえば、「説明」と「描写」は根本的に違っています。
以降の内容で詳しくご紹介します。
「説明」する書き方
例
家族でさくらんぼ狩りをするため、車で2時間かけて群馬県までやってきた。
説明とは、「説き明かす」ことです。
したがって、説明するときには「説き明かすために必要な情報を盛り込む」ことが必要ですね。
「物事がなぜこうなるか」という理屈や根拠などを、説明によって示します。
読み手に「情報のみ」を伝えるのであれば、過不足のない情報を書いたほうがわかりやすくなるのです。
「描写」する書き方
例
「あともう少し入るかな」
息子のもつ透明なパックは、すでにたくさんのさくらんぼで溢れかえっていた。
描写では「人」や「モノ」や「場所」の様子を伝えます。
このとき、説明として語られるような内容は多くの場合で過度な情報となります。
なぜならそれは類型化されたものであって、様子を伝えるには型にハマり過ぎているからです。
雰囲気や在り様を伝えるのであれば、場面を描写したほうがわかりやすくなるのです。
「説明する」と「場面を描く」は根本的に違う
場面を描くときには、少なからず「説明する要素」が含まれることは事実です。
先述した例でいえば、「さくらんぼ狩り」「群馬県」「家族」などですね。
説明と描写を通じて読み手に伝わる情報には、共通する部分が数多くあるのです。
そのため「描写といいながらも説明になっている」という主張は、間違いではありません。
ただし、あくまでもそれは読み手の解釈の問題です。
書き手の立場で考えると、「説明」と「描写」が根本的に違っていることがわかるはずです。
ここまでご紹介したように、両者の書き方には違いがあります。
書き方が違うということは、文章を書くときの「視点」や、内容として切り取る「要素」、そこで扱う「言葉」などが違うということです。
さらにいえば、「伝える内容」がそもそも違っているはずです。
書き手は、伝えるに適した内容を使い分けながら書く必要があるのです。
このことを理解していれば、書き方を混同することはありません。
書き手が伝えたい内容にあわせて、「説明」と「描写」を使い分けましょう。
■ 参考
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