【印象的に伝える】フレーズを独立させる【文を目立たせたい】

 

ときに書き手は、特定の部分を強調したいと思うことがあります。

ブログのように「太字」や「赤字」、「書体」や「フォントサイズ」を変更できるのなら楽チンです。

しかし世の中には、小説や作文など、自由にカスタマイズできない文章も多々あります。

その場合は強調したいフレーズを独立させてみましょう。

 

 

強調するフレーズを定める

自分の文章のなかで、とくに強調したいと思ったフレーズをピックアップします。

今回は、童話を例に扱うことにします。

 

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。

「これは良いおみやげになるわ」と、おばあさんは大きな桃をひろいあげ、家に持ち帰りました。

 

文章としてはすでに成立していて、このまま手をつけなくても良さそうですね。

しかしこのままでは書き手の「強調したい」という意図が反映できません。

文章を書きかえて、工夫してみましょう。

 

 

フレーズを独立させるだけ

方法としてはとてもかんたんです。

強調したいフレーズを独立させるのです。

 

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。

「これは良いおみやげになるわ」

おばあさんは大きな桃をひろいあげ、家に持ち帰りました。

 

わかりやすくセリフを独立させました。

登場人物のセリフは、文章のなかでも重要なポイントになることが多いです。

地の文に吸収させてしまうのではなく、独立単体で書いてみましょう。

すると、文章の印象がガラリと変わるはずです。

 

 

セリフ以外にも活用できる

フレーズを独立させる手法は、セリフだけの特権ではありません。

独立さえできれば、地の文であっても強調することができます。

 

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、なにかが流れてきました。

大きな桃です。

「おや、これは良いおみやげになるわ」と、おばあさんは大きな桃をひろいあげ、家に持ち帰りました。

 

この物語では「桃」が大きなテーマのひとつです。

象徴的なフレーズであれば、例に挙げたように独立させることで読み手に強く印象づけることができるのです。

 

執筆するときには、書き手の意図を反映させることが大切です。

「独りよがりでも良い」というわけではありません。

伝えたいことが伝わるように工夫を凝らすという意味です。

 

とくに「強調」については、視覚的な効果に頼ることができない場合も多いです。

書き手の意図がない散漫な文章にならないよう、今回ご紹介したテクニックを駆使しましょう。

 

■ 参考

 

Posted by 赤鬼