反語を使った表現

 

内容をしっかり伝えたいときには、あいまいな表現を使わずに語尾を言い切ることが重要です。

しかし、ただ言い切るばかりでは、文章が味気なくなってしまいます。

変化をもたらすためにも、反語を使って表現してみましょう。

 

 

 

例文

彼女の浮気相手は、私の親友だと聞いた。

こんなバカな状況がありえるだろうか。

 

反語とは、例文で使われている「~だろうか」という表現です。

疑問形にすることで「こんなバカな状況がありえるだろうか(いや、ない)」のように、否定を暗に示すのです。

「~だ」「である」が続く単調な文章に、変化を加えることができます。

 

反語のポイントは、逆説的な否定にあります。

一見すると、読み手に考える猶予を与えているように感じますね。

しかし実際に伝わる意味を考えると、読み手の同意のみを求めているのです。

 

読み手がこれを意識するかしないかは別として、変則的な書き方であることは間違いありません。

「こんなバカな状況はありえない」とストレートに言い切るよりも、読み手の印象に残りやすい表現だといえます。

 

反語を使う上で書き手が理解しておくべきポイントは、これが読み手を追い込む書き方であること。

 

場合によっては、一方的な決めつけになりかねないのです。

強制力のある表現を多用すれば、読み手の共感を得ることは難しくなるでしょう。

書き手としては、使いどころの見極める必要があります。

 

反語は、あくまで「奥の手としてとどめておく」くらいの心構えが必要です。

 

この表現がかかる内容やタイミングに注意しながら、適切に使いましょう。

 

Posted by 赤鬼