皮肉をこめた表現
実直に書くばかりが良い文章とは限りません。
書き手が少しひねくれることも、文章を面白くするためのテクニックのひとつです。
今回は、皮肉をこめた表現についてご紹介します。
例文
不良品であることは明らかなのに、返品・返金には応じないらしい。
客に対して「理不尽な勉強代」をしっかり徴収するとは、親切なお店だ。
字面だけを見ると、褒めているように思えます。
真意を読み取ってみると、これが皮肉であることは間違いないですね。
● 客に対して「理不尽な勉強代」をしっかり徴収するとは、親切なお店だ。
⇒(いや、そうではない)
この文には、かっこ内の意味、つまり否定を暗に示す内容が含まれています。
どこかで似たような表現を目にしたことがあるはずです。
そう、反語ですね、
例文のような皮肉をこめた表現は、文法的には反語として扱われます。
これを使うときには、書き手のセンスが問われます。
「皮肉をこめた」とすれば聞こえはいいですが、単なる嫌味に成り下がるのでは意味がありません。
書き手のセンスを磨いてからでなければ、そもそも皮肉にならないため、注意が必要です。
ビジネス文書を含め、実用文でこの表現を使う機会はほとんどないでしょう。
小説や作文、手紙などの自由に書ける文章では、文章を面白くするエッセンスとしての効果を期待できます。
いざ皮肉をこめるときは、批判する人や物事に対して絶対の自信がある場合に限ったほうが無難です。
もちろん、皮肉として扱う言葉も吟味する必要があります。
慣れないうちは、「このようなテクニックもある」という程度の理解にとどめておきましょう。
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