「短く書く」ということ
わかりやすい文章を書くためには、さまざまな工夫をほどこす必要があります。
その中で、もっとも基本的なテクニックのひとつが、短く書くということです。
簡単なように思えますが、上手く実践できる人はそう多くいないでしょう。
ここで、夏の暑さについて文章を書くとします。
例文を読みながら、短く書くことについて具体的に考えていきましょう。
たしかに短く書いています。
わかりやすいことに違いはないのですが、これだけでは特別なメッセージを伝えることはできませんね。
つまり、この文は何も表現していない状態なのです。
もっと詳しい内容を盛り込んでみましょう。
詳しい内容が追加されました。
しかし、この書き方では、文そのものが間延びしています。
わかりやすい文章とはいえません。
同じ内容でも、短く書けています。
今回のテーマである、「短く書く」ということは達成できているようですね。
しかし、どこかに野暮ったい雰囲気や、まわりくどさを感じませんか?
実はこれも不正解です。
さて、ここから核心部分です。
「短く書く」ことは、文量を減らすことではありません。
一度に運ぶ情報量を、ひとつに限定することをいいます。
つまり、こういうことです。
「ひとつのセンテンスで、ひとつの情報を伝える」
これが、わかりやすい文章を書くための鉄則です。
先の例を持ち出して考えましょう。
伝えたい内容は、3つあります。
● 今年の夏が暑く感じること
● 昨年が冷夏だったこと
● 冬が待ち遠しいこと
ひとつずつ組み立てていきましょう。
各情報に対して、ひとつずつセンテンスを割り当てました。
例文1~3に比べると明瞭でわかりやすいことがみてとれます。
原則に従っただけで、これだけ印象が変わるのです。
今回は簡単な作文を例に持ち出しましたが、どのようなジャンルの文章にも共通することです。
ひとつのセンテンスでひとつの情報を伝えることを念頭におきましょう。
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