「他の感覚」から匂いを表現する

前回ご紹介した内容の続きです。

● 「似たような何か」で匂いを表現する

今回は、上記の内容を発展させます。

「似たような何か」を借用するときは、イメージしやすいモノを持ちだすことで匂いを表現することができました。

ここでは匂い(嗅覚)の表現を、「他の感覚」から借用して表現します。

わかりやすいところでは、味覚です。

例文

クレープ屋の前を通ったとき、甘い匂いがした。

味覚は、他の感覚に比べると嗅覚と関連が強いため、その匂いをイメージしやすい傾向にあります。

■ 味覚からの借用例

・ 酸っぱい匂い

・ 塩からい匂い

他の感覚からも借用してみましょう。

■ 視覚からの借用例

・とがった香り

・青くさい

■ 触覚からの借用例

・かるい匂い

・重みのある匂い

聴覚となると一般的な表現にすることが難しくなるため、視覚や触覚から借用しました。

「表現したい匂い=他の感覚表現」ではなく、複合的な感覚から考えるのも良いでしょう。

■ 複合的な感覚からの借用例

・さわやかな匂い

・まろやかな匂い

これらを組み合わせると、より多くの表現を使えるようになります。

■ 感覚を組み合わせた表現

・かるくさわやかな匂い

・まろやかな甘みのある匂い

例に挙げたように、他の感覚から借用すると抽象的な表現になりがちです。

「似たような何か」でたとえたものに比べ、具体性に欠けているともいえますね。

しかし、「匂い」という元々あいまいなものを表現するわけですから、あまりシビアになる必要はありません。

重要なのは、書き手が表現したい匂いと合致しているかを考えることです。

個別の感覚だけで考えると、匂いに借用できる表現の幅はそれほど広くありません。

しかし感覚同士を組み合わせることで、匂いの表現はかけ算のように増えていきます。

書き手が表現したい匂いと合致させれば、読み手に実感をもたらすことができるでしょう。

■ 参考

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