淀みなく伝わるコロケーションを選ぶ
今回は、コロケーションの組み合わせについて考えます。
● 連語について
これまでご紹介したとおり、コロケーションは自然な表現を選ぶことが前提となります。
しかし、その表現がベストかどうかはまた別の話です。
表現として不自然でなかったとしても、伝えたいことがしっかり伝わらない場合もあるのです。
例をみながら考えていきましょう。
原文
飢えに近いほど腹が減っていた俺は、大盛りの牛丼を食べた。
「牛丼の大盛りを注文して+食べた」とあります。
コロケーションとして不自然な点はどこにもありません。
ただし、「飢えに近いほど腹が減っていた俺は」からのつなぎとしては、どうでしょうか。
少し物足りない印象を受けるはずです。
そこで、このように表現してみてはいかがでしょうか。
改善文
① 飢えに近いほど腹が減っていた俺は、大盛りの牛丼を食った。
② 飢えに近いほど腹が減っていた俺は、大盛りの牛丼を喰らった。
「食った」「喰らった」とすれば、食べる様子に野性味が増します。
ガツガツと食べている情景が目に浮かびますね。
コロケーションは、直前の表現に対するつなぎとして考えてはなりません。
文章の前後関係を考えながら言葉を選ぶ必要があるのです。
そうすることで、プラスアルファの情報を読み手にもたらすことができます。
例にあったように、ただパクパク食べるのと、一心不乱にガツガツ喰らうのとでは、印象が変わってきますね。
コロケーションは、書き手からすると単なるひと工夫でしかないかもしれません。
しかしそのひと工夫は、文章に大きな違いをもたらすのです。
伝えたいことは淀みなく伝えるためにも、コロケーションへの意識を高めましょう。
■ 参考
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