独特な切り口で物語を考える

今回は、読み手を物語の世界に巻き込んでいくときの考え方についてご紹介します。

書き手からすればおもしろい物語だとしても、それを読み手が実感できるとは限りません。

残念ながら、描かれるエピソードの多くが読み手にとっては「他人事」でしかないのです。

たとえば、「浮気」ついて描くとしましょう。

当事者となる人物はもちろん、周囲の人間にもさまざまなドラマをもたらしますね。

どのような浮気でも、心を大きく動かす出来事であることに変わりはありません。

もし読み手に浮気をした(された)経験がなかったとしても、その心情は比較的かんたんに想像できます。

書き手に特別なアイディアがなくとも、浮気という要素を取り入れるだけで物語にはなるのです。

しかし、印象的な出来事をそのまま描いたとしても、魅力的な作品にはなりません。

物語としておもしろいかどうかは、まったく別の話なのです。

そもそも、浮気そのものが一般的にはありふれた話でしかなく、創作においてもくり返し扱われてきた要素です。

読み手がその世界にのめり込んでしまうような物語にするには、書き手の視点を変えなければならないのです。

かんたんな方法は、独特な切り口から考えることです。

「浮気の物語」を平凡に描くのではなく、ほかの切り口から見えてくるものを主軸にすれば良いのです。

「恋人としての責任」だったり、「心の殺し方」だったり、「手放してしまった未来」だったり。

独特な切り口から描かれた作品は、もはや平凡な浮気の枠を超え、別の魅力をもった物語になるでしょう。

読み手に教訓や気づきをもたらすような、他人事ではない物語になるのです。

書き手であれば、「事実を書き連ねるだけでは不十分であること」を自覚しておく必要があります。

違いを作るための工夫がなければ、その作品は埋もれてしまう可能性が高いのです。

さらにいえば、独特な切り口から生み出されるそれは作家らしさを感じさせるポイントでもありますね。

「人とは違った何か」を武器に、切り口を変えてみましょう。

■ 参考

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