【身体的な特徴】変わるものと変わらないもの【気をつけるべきこと】
物語を書くにあたって、「変わるもの」と「変わらないもの」があります。
書き手はこの概念をきちんと理解しつつ、しっかりと管理しながら物語を書き進めなければなりません。
今回は「身体的な特徴」を中心に考えていきます。
身体的な特徴
物語では、主人公に「身体的な特徴」がもたらされることがあります。
例
① 不慮の事故によって、”右手を失った”
② まだ小学生で、”身長が低い”
③ 加齢によって、”老眼が進んでいる”
身体的な特徴には、2つのパターンがあります。
ひとつは、①のように、書き手が意図的に設定した特徴です。
もうひとつは、②や③のように、年齢設定からもたらされる特徴です。
身体的な特徴は、原則「変わらないもの」として扱うことになります。
書き手は、これに対して忠実に向きあわなければなりません。
「書けないこと」に気をつける
身体的な特徴が「変わらないもの」である以上、あらゆる場面で主人公の描き方は制限されます。
例
① 不慮の事故によって、”右手を失った”
⇒ 右手を使えない
② まだ小学生で、”身長が低い”
⇒ 高いところに手が届かない
③ 加齢によって、”老眼が進んでいる”
⇒ 小さな文字を読むことができない
①の「右手を使えない」がわかりやすいですね。
「右手が生えてくる」といった奇跡が起こらなければ、その主人公が右手を使う場面を描くことができません。
②と③も同様で、主人公は設定にそった動きをしていなければなりません。
「まだ子どもなのに電球を交換した」や「老眼が進んでいるのに新聞をスラスラ読めた」など、整合性がとれなくなる書き方は禁物です。
もちろん「制限される」といっても、その特徴をもっているからこそ書けることもあります。
設定が破綻しないように気をつけながらも、書き手は「書けること」をすくいあげて筆を進めていきましょう。
「変わるもの」が出てくる
「②と③も同様」と書きましたが、この場合は少し性質が違っています。
たとえば「長いタイムスパン」で物語が展開される場合、主人公の成長とともに描き方は変化しますね。
● 数年前は高いところに手が届かなかったけれど、成長とともに解消された
● 若いころは視力が高かったけれど、老眼が始まって字が読みにくくなった
長いタイムスパンのなかで主人公に身体的な変化がある場合は「変わるもの」として扱うことができるわけです。
設定した「身体的な特徴」は、物語の細部に影響を与えます。
だからこそ書き手は、主人公の設定に対して忠実になることが重要です。
それを無視して「書き手主体」で進めると、物語が破綻したり、整合性がとれなくなったりと、都合の悪い事態を招いてしまいます。
「変わるもの」「変わらないもの」を見極めながら、主人公の設定をしっかり守っていきましょう。
■ 参考
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