【物語の環境設定】時間を考える

物語にさまざまな違いをもたらす要因のひとつが、時間の要素です。

書き手は、物語にどのような時間が流れているのかを意識しなければなりません。

物語で扱う「時間の概念」は多岐にわたるため、ここでは枠組みを「大・中・小」と区切りました。

順に見ていきましょう。

大の枠組み:時代や年代

● この時代、同性愛者は極稀な存在だった

● 2000年代に入り、IT革命の勢いは増した

大きな枠でくくられたこの時間は、物語の舞台設定に強く影響する要因のひとつです。

どの時代、どの年代を舞台として設定するかによって、物語の描き方は変わってきます。

ある年代特有の価値観や、その時代を代表するアイテムなどを物語に取り入れることで、細部から全体像までを構築することができます。

中の枠組み:季節や期間

● 夏休みが始まった

● テスト期間のため、なかなか外出できない 

季節や期間を特定しておくことで、物語がどのようなタイム感で進んでいるのかを明確にできます。

また、ある程度のスパンをもって区切られる時間は、人によって長くも短くもなります。

「夏休みの一か月 ⇔ 普段の一か月」

「テスト期間の一週間 ⇔ 旅行中の一週間」

このことから、物語の舞台にも、心情を描写する要因にもなり得る時間なのです。

小の枠組み:日付や曜日、特定の時間帯

● クリスマスイブは、街並みが煌びやかになる

● 月曜日は憂鬱な気分になる

● 夜は気分が落ち着く

この時間は、登場人物の動き方や、物事の描写に強い影響をもたらします。

登場人物の生活にある時間は、具体的な実感を伴います。

身近に接している時間であることから、情景や心情の描写にダイレクトに作用させることができます。

便宜上、個別に分けて考えましたが、相互的に作用させながら描いてもかまいません。

大の時間:2011年

中の時間:春休み

小の時間:3月11日の午後

すると、そこから浮かび上がってくるものがあるはずです。

流れている時間を明確にすれば、物語にリアリティをもたらすことができます。

これを詳しく設定すればするほど、場面の描き方は具体的になり、登場人物の人格も活きてくるでしょう。

書き手からしても、場面や描写の「要・不要」も判断しやすくなり、ロジカルに物語を進められます。

読み手に明示するかどうかは別として、書き手としてどのような時間が流れているのかを意識しながら物語を構築しましょう。

■ 参考

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