【創作】リアルとリアリティの違い【読み手に勘違いさせる】
今回は「リアル」と「リアリティ」の違いについてご紹介します。
両者は似て非なるものですから、書き手はこれらの違いを理解した上で使い分ける必要があります。
例をまじえながら考えていきましょう。
「リアリティ」を追求する
ドラマの「銃で撃たれるシーン」を思い出しましょう。
仮に、役者の演技がぎこちないもので、演出にもまったくリアリティがなかったとします。
ドラマを観ている立場からすれば、興ざめしてしまうでしょう。
これは小説を書くときにも同様のことがいえます。
物事を描くとき、リアリティは必要です。
リアリティがなければ、描く場面も、細部の描写も、物語自体も、単なる茶番になりかねません。
書き手は描く内容にリアリティを追求すべきです。
「リアル」を描く必要はない
しかし現実に「人が銃で撃たれる様子」を見たいと思うでしょうか。
考えただけでも恐ろしいですし、たとえ映像であってもグロテスクなシーンは目に入れたくないはずです。
いわゆる「ノンフィクションもの」であればリアルなシーンが重要になるため、書き手はとことん追及するでしょう。
ただし小説において、いきすぎた「リアルの追求」は得策といえません。
創作文章である以上は表現に限界がありますし、たとえそれを鮮明に描いたとしても「おもしろくなるかどうかは別」だからです。
したがって書き手は、創作においてリアルを描く必要はないのです。
目標は「勘違いさせる」こと
ここまでの内容をまとめると、次のようになります。
● 創作では「リアリティ」を追求すべき
● ただし、「リアル」を描く必要はない
これを突き詰めると、読み手に「本当にあった話?」と勘違いさせることができます。
ここで扱っているのは自伝やノンフィクションでなく「創作」ですから、もちろんウソの話です。
しかしそこにリアリティを追求することで、まるで現実に起きた出来事のような文章を描けるわけです。
これもまた創作の醍醐味ですね。
書き手が「リアル」に固執しながら書けば、文章に現実味を盛り込むことはできるでしょう。
しかしその内容が物語として成立し、「読み物」になるかどうかは別です。
「リアリティ」を大事にするからこそ、おもしろい作品を書くことができるのです。
書き手はリアルを描くのではなく、リアリティをもって描くことを意識しましょう。
■ 参考
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