【書き手として】経費計上の考え方【自分を律する】

2019年10月25日

 

物書きは、さまざまなものを経費として計上できます。

移動のために車を買うこともあれば、取材のために海外へ渡ることもあります。

今回は「経費計上」について個人的な考え方をご紹介します。

トラブルを防ぐべく、経費について根本から考えてみましょう。

 

 

グレーなものは一切計上しない

知り合いの作家さんからパーティーに誘われることがあります。

物書きや写真家、ミュージシャンなど、さまざまなクリエイターが集まる交流会のようなものなので、自身の営業も兼ねて参加しています。

一応はビジネス性の強い付き合いですから、そこでかかる「会費」は経費として認められるのではないか、と思うわけです。

 

ただし私は、1円も経費計上していません。

なぜなら、公私の境目があいまいだからです。

音楽を聴きながら飲み食いするなかで「しっかり仕事している」感覚はないですし、参加者のなかには「友達」と呼べるほど仲がいいクリエイターもいます。

 

私は税務関係の職に就いたことがなければ、専門資格も保有していません。

つまり、経費計上の可否について法的な観点からジャッジできないのです。

だからこそ少しでも「グレー」だと感じる出費であれば、経費として計上しないようにしています。

 

 

「自分の部下」が基準になる

「公私の境目」は、経費となる基準に直接影響します。

これは表現する仕事のみならず、個人事業主として働くすべての人にいえることですね。

以前ネットのどこかで目にした考え方が役立つので、ここでご紹介しておきます。

 

「自分の部下にお金を渡すかどうか」

 

この感覚を経費計上するときの基準にすると、出費の性質がわかりやすくなります。

 

私は従業員を雇っていませんが、レシートを眺めながら「部下がいる状況」を想像しています。

そして、自問自答します。

 

「この出費は部下に払わせるべきか、それとも自分が出すべきか」

 

これを判断するときポイントになるのは、事業性の有無です。

事業性が認められる出費であれば経費になるでしょうし、そうでなければ私的なものとして扱われるはずですね。

「部下の存在」を転用して事業性の有無を見つめ直せば、経費になるものとそうでないものを判断しやすくなるのです。

ここに法的な根拠はないものの、少なくとも自分のなかでは基準が明確になるでしょう。

 

 

自分を律することが大事

適正な計上をしなかったり、申告漏れが起こったりする原因はさまざまです。

処理する過程でミスが起きることもあれば、単純に忘れてしまうこともあるでしょう。

ただし、「節税したい」というスケベ心からくるものは防げるはずです。

それが後にトラブルを招いてしまうことだけは、避けるべきです。

 

だからこそ前項・前々項の内容をふまえて、自分を律することが重要です。

 

そもそも「税金を納めることをネガティブに捉える必要はない」と私は思っています。

独立当初は満足に稼ぐことができず、たった数千円の税金すらまともに払えないこともありました。

そのとき私は「自分という存在が社会参画できていない」と感じたのです。

税金の使途や分配にさまざまな問題点はあるにせよ、自分が惨めだった過去を思えば「払えるだけありがたい」と思えるのです。

 

もちろん前提は「適正な金額を納めること」であり、過度な納税を推奨しているわけではありません。

他の業種・職種に比べると、「書き手」はフットワークが軽く、扱う題材も自由度が高いので、さまざまなものを経費にすることができます。

そこで発生する出費を節税へとつなげる考え方は、あって然るべきです。

 

しかし私のように税理士と契約していないのであれば、多少の無駄は許容しなければなりません。

未然に防ぐべきは、目先の出費ではなく、書き手としての信頼を失わせるトラブルです。

その上で「節税」したいのであれば、自己判断に頼ることは控えるべきです。

トラブルを防ぐためにも、まずは専門家に相談し、そこで得た意見に従いましょう。

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