強調したい場面で「触覚」を意識する【目立たせる技術】

2019年11月9日

 

「触覚」は、五感のなかでもっとも体感性の高いものです。

この特性を活かしながら文章に盛り込めば、書き手はその内容を強調することができます。

それは直感的な強調というよりも、読み手に与える印象をコントロールするという意味での強調になります。

ここでは、「触覚」を使って強調するテクニックをご紹介します。

 

 

「さわる」は確認作業

目の前に「得体の知れない物体」があったとしましょう。

目や耳を使い、様子を窺いながら近づくはずです。

距離が縮まったら鼻を利かせ、匂いでその正体を判断しようとしますね。

口に入れる前に、手で触れることで「それが何であるか」を確かめるでしょう。

 

つまり私たちにとって「さわる」という行為は、確認作業のひとつです。

これによって対象物の造形や質感、温度などを認識します。

「触覚」を文章に落とし込むときは、この性質を利用しましょう。

 

 

「触覚」は強烈な印象を与える

例文を見ながら考えましょう。

 

バナナを食べた。

 

この内容からは、触った様子やその感覚は伝わりません。

 

「触覚」を意識しながら書きなおしてみます。

 

バナナの表皮は滑らかな肌のようだった。

先をつまんでゆっくりと裂く。意外に、固い。

露になった果実は、ぬるぬるとした湿り気を帯びている。

唇でそっと包み込むと、すべてをあきらめるようにほぐれた。

 

「バナナを食べた」にはない、生々しさがありますね。

このように触覚を意識して描くと、読み手に強烈な印象を与えることができるのです。

 

バナナのように、得体の知れない物体でなくともかまいません。

書き手は、触ることを通じた確認作業を意識することが大事です。

そこにあるプロセスは、そのまま文章の内容として描くことができるからです。

 

 

強調したい場面に取り入れる

「触覚」は、五感のなかでもっとも身体的な行為といえます。

一方で、人やものに触れたときに感受することや、思索することも沸きあがってきます。

つまり「触覚」を取り入れることで、身体から心境への導線が結ばれるのです。

 

したがって「触覚」は、強調したい場面に用いると効果的です。

文章では、対象となる人やモノに興味を引かれ、距離がもっとも近づく瞬間を描くことになるでしょう。

内容を濃密に描くことができ、抑揚をつけることも期待できます。

強く伝えたいときには、「触覚」を意識して取り入れてみましょう。

 

■ 参考

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Posted by 赤鬼