三人称を使って、文章を堅くする
三人称が使われている文章は、硬質な仕上がりになります。
硬質な仕上がりとは、形式的で、堅く、冷静な印象を与えられるということです。
例文
A. お困りの場合は、私までご連絡ください。
B. お困りの場合は、高橋までご連絡ください。
例文を比べると、Bの例文が事務的で堅い表現であることがわかります。
また、親近感がわくAの例文とは違って、読み手との距離をおいている印象も受けます。
三人称を使うだけで、文章の表情が変わってくるのです。
読み手との距離は、近ければ近いほど良いと思われがちです。
しかし文章によっては、距離をおいたほうが良いとされる場合もあるのです。
代表的な例は、ビジネス文書です。
フォーマルさが求められるビジネス文書では、相手の懐に踏み込みすぎてはいけません。
企業間のやりとりであれば、本来、相手先の担当者に対して「私は」や「あなたは」を多用する必要はないのです。
例文Bのように、自分に対しても三人称を使ったほうが、ビジネス文書としては出来が良くなります。
冒頭にあったように、三人称を使った文章は硬質な仕上がりになります。
ビジネス文書のように、硬く、堅い文章を書くためには、一人称や二人称は控えましょう。
その上で、意識的に三人称を使えば、適切な文体で書くことができるのです。
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