伝えたいことの純度を高める
今回は、文章の純度について考えます。
ここでいう「純度」とは、伝えたいことが濁りなく表現できている度合いのことです。
例をみながら考えていきましょう。
結婚式に300万円が必要だ。
文から伝わる内容は、多くの人が理解できるでしょう。
ただし、これでは純度が高いとはいえません。
なぜなら、お金がかかる対象が明確になっていないからです。
原文の内容だけ見れば、「結婚式に呼ばれた人」にも適応できてしまいます。
一般人の感覚からすれば、とんでもない結婚式ですね。
伝えるべき内容から考えると、お金が必要なのは「結婚式」ではありません。
「挙式」に対して、お金がかかるのです。
● 結婚式を挙げるために、300万円が必要だ。
● 挙式費用として、300万円が必要だ
濁ったままの表現を書き連ねていては、誤解が生じる文章になってしまいます。
意味が的確に伝わる表現を使うことで、文章の純度がぐっと高くなりました。
説明要素が強い文章では、もっと純度を高めるべき場合もあるでしょう。
そのような文章であれば、より詳しく説明すれば良いのです。
● ホテルでの挙式には、披露宴にかかる費用を含めると、300万円もの金額が必要になる。
● ホテルでの挙式には、300万円が必要だ。その金額のほとんどは、披露宴にかかる費用だ。
なにも、一文におさめようとする必要はありません。
内容が膨れ上がってしまう場合は、文を分けて書くことをおすすめします。
文章の前後関係を見ながら内容を分割して、バランスを崩さないように表現しましょう。
今回の内容は、重箱の隅をつつくようなことかもしれません。
しかし書き手として、表現に対するストイックな姿勢はとても重要です。
思ったことを並べるだけの文章であれば、素人でも書くことができます。
書き手としての文章となると、そうはいきませんね。
「何を伝えたいのか」を考え、そして「どのように伝わるのか」を意識しながら、正しい言葉を探さなければならないのです。
文章の純度を意識しながら、正しい表現を選んで執筆しましょう。
■ 参考
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