「尊敬語」と「謙譲語」を使い分ける
尊敬語と謙譲語は、どちらも相手に対する尊敬の念を表します。
これらを使いこなすのは日本人でも難しく、間違った使い方をしている文章を目にすることがあります。
まずは使い分けの基準について、ご紹介します。
● 目上の人が行った動作には、尊敬語
● 目上の人に対して自分が行った動作には、謙譲語
コツは、動作を行った人が誰かを考えることです。
この基準をもとに、例をみながら考えていきましょう。
原文
私は昨日、部長に「いつも支えてくれてありがとうございます」とおっしゃった。
「おっしゃった」は、尊敬語です。
部長に対して感謝の意を伝えたのは「私」、つまり書き手ですね。
目上の人に対して自分が行った動作なので、この場合は謙譲語を使うべきなのです。
改善文
私は昨日、部長に「いつも支えてくれてありがとうございます」と申し上げた。
謙譲語である、「申し上げた」に直しました。
違和感がなくなって、自然と読める文章になりましたね。
尊敬語と謙譲語は、文章力というよりも語彙力が重要なのだと感じるかもしれません。
しかしいくら語彙力を高めても、使い分けの基準を知らなければ間違った使い方をしてしまうのです。
原文として挙げた文章が、典型的な例ですね。
会話のなかでの間違いは、その場で指摘される程度で済むでしょう。
文章として書くとなると、目に見えるかたちで証拠が残ってしまいます。
尊敬語と謙譲語を混同して使わないようにしましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません