登場人物の「性格」を描く

2019年5月30日

今回は、「性格の描き方」についてご紹介します。

細かく設定した登場人物の性格をどうやって表現するか、というところです。

大きく分けて3つの方法があります。

 

 

まずは「登場人物の言動」です。

言動は、実生活においても、人の性格をわかりやすく表面化させる要素ですね。

 

たとえば、「嫌がらせを受けたときの反応」で考えましょう。

 

● 気弱であれば、「やめてください」

● 他人に関心がなければ、「まあいいや」

● 執念深ければ、「覚えておけよ」

 

など、パターンはさまざまです。

 

原則として、小説は文字でしか伝えることができません。

つまり、性格を描く上で言動が占める割合はとても大きいのです。

登場人物が「何を言うのか」はもちろん、「どのような言葉づかいをするのか」も慎重に考えましょう。

 

 

次は、「登場人物の行動」です。

登場人物がどのような行動をとるのか、これも性格を決定付ける大きな要素になります。

 

行動についても「嫌がらせを受けたときの反応」で考えましょう。

 

● 気弱であれば、「じっと我慢する」

● 他人に関心がなければ、「気にしない」

● 執念深ければ、「復讐する」

 

もちろん作中では、上記のような抽象的な書き方ではなく、読み手が納得するかたちで描かなければなりません。

 

加えて、行動による性格の反映はストーリーに大きな影響を与えます。

登場人物の行動によって、その後の展開がガラっと変わることもめずらしくありません。

「ストーリーとの整合性がとれない」といった事態にならないよう、綿密に設定しましょう。

 

 

最後、あまりおすすめはしませんが、一応ご紹介しておきます。

ほかの登場人物に説明させるという方法もあります。

 

「昔から○○は気が弱いからな」といったように、登場人物同士のやりとりのなかで性格を伝えてしまうのです。

読み手からすれば「紹介文」のように機能するため、性格をシンプルに表面化させる必要がある場合には、有効な手段です。

 

ただし、物語のなかで「具体例」を提示できなければ、説得力をもたらすこともできないでしょう。

具体例がなければ、誰かに説明させる意味もなくなってしまうと考えるのが当然です。

そもそも、人の性格を単一的に言語化すること自体にも、原理的な問題があるともいえます。

やはり、根拠となる「行動」や「言動」をもって読み手に示すことを優先すべきでしょう。

 

■ 参考

創作

Posted by 赤鬼