登場人物の「性格」を描く
今回は、「性格の描き方」についてご紹介します。
細かく設定した登場人物の性格をどうやって表現するか、というところです。
大きく分けて3つの方法があります。
まずは「登場人物の言動」です。
言動は、実生活においても、人の性格をわかりやすく表面化させる要素ですね。
たとえば、「嫌がらせを受けたときの反応」で考えましょう。
● 気弱であれば、「やめてください」
● 他人に関心がなければ、「まあいいや」
● 執念深ければ、「覚えておけよ」
など、パターンはさまざまです。
原則として、小説は文字でしか伝えることができません。
つまり、性格を描く上で言動が占める割合はとても大きいのです。
登場人物が「何を言うのか」はもちろん、「どのような言葉づかいをするのか」も慎重に考えましょう。
次は、「登場人物の行動」です。
登場人物がどのような行動をとるのか、これも性格を決定付ける大きな要素になります。
行動についても「嫌がらせを受けたときの反応」で考えましょう。
● 気弱であれば、「じっと我慢する」
● 他人に関心がなければ、「気にしない」
● 執念深ければ、「復讐する」
もちろん作中では、上記のような抽象的な書き方ではなく、読み手が納得するかたちで描かなければなりません。
加えて、行動による性格の反映はストーリーに大きな影響を与えます。
登場人物の行動によって、その後の展開がガラっと変わることもめずらしくありません。
「ストーリーとの整合性がとれない」といった事態にならないよう、綿密に設定しましょう。
最後、あまりおすすめはしませんが、一応ご紹介しておきます。
ほかの登場人物に説明させるという方法もあります。
「昔から○○は気が弱いからな」といったように、登場人物同士のやりとりのなかで性格を伝えてしまうのです。
読み手からすれば「紹介文」のように機能するため、性格をシンプルに表面化させる必要がある場合には、有効な手段です。
ただし、物語のなかで「具体例」を提示できなければ、説得力をもたらすこともできないでしょう。
具体例がなければ、誰かに説明させる意味もなくなってしまうと考えるのが当然です。
そもそも、人の性格を単一的に言語化すること自体にも、原理的な問題があるともいえます。
やはり、根拠となる「行動」や「言動」をもって読み手に示すことを優先すべきでしょう。
■ 参考
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