直喩と隠喩

今回は、比喩表現について考えます。

いくつかの技法がありますが、ご紹介するのはなかでも基本となる2つの表現方法です。

 

ずばり、直喩隠喩です。

 

直喩

例文

あの人は、まるで風のように去っていった

 ⇒「~のよう(だ)」「~みたい(だ)」を使って例える

 

まずは、直喩ですね。

この直喩は、「明喩」や「シミリー(simile)」とも呼ばれています。

 

「まるで」や、「~のよう(だ)」「~みたい(だ)」を使って、例えるのが直喩です。

文面をみたとき、読み手は「例えている」ことがあきらかにわかるのが特徴ですね。

そのような書き方をするのが、直喩です。

 

 

隠喩

例文

あの人は、

⇒ 「~のようだ」を使わないで、そのまま例える

 

次に、隠喩です。

「暗喩」、あるいは「メタファー(metapho)」と呼ばれたりもしますね。

 

例文を見てわかるとおり、隠喩では、例えだとわかる直接的な表現は使っていません。

しかし、文面から察することは用意にできますね。

 

一般的に考えて「あの人=鬼」ではないと読み取れるからです。

対象となる「あの人」の手厳しい様子や、気難しい様子、もしくは何かのエキスパートを指していると推測できるはずです。

このように、具体的なイメージを彷彿させる言葉を簡潔に用いるのが隠喩です。

 

 

時おり、直喩と隠喩の意味を履きちがえている人を見かけます。

おそらく、漢字の意味を感覚的にとらえているのでしょう。

 

理解すべきポイントは、読み手にとってその表現が比喩だと一目見てわかるかどうかです。

 

⇒ あきらかに比喩とわかる表現を使って、そのことがダイレクトに読み取れるのが直喩

⇒ あきらかに比喩とわかる表現は使っていないけれど、読み手はそのことを理解できるのが隠喩

 

このように理解すれば、間違えて覚えることはないでしょう。

書き手として、しっかりと確認しておきたいですね。

 

Posted by 赤鬼