アイディアやセンスは文章を超えるのか

おもしろいシナリオさえ書ければ、作家になることができます。

たとえ作家の文章力がズタボロであったとしても、その小説は本になってしまうのです。

あえて名前は出しませんが、編集者から「小学生以下の文章力」と言われながらもベストセラー作家になった人もいます。

その先生のすごいところを具体的にいえば、舞台設定のアイディアがずば抜けていました。

物語の展開はありきたりなものでしたが、今まで誰も思いつかなかったような舞台を設定したことで、登場人物の願望や待ち受ける困難の大きさなども映えていたのです。

結果として、読み手である私たちが「読みたくなる作品」になったわけです。

卓越した文章力がなくても出版できたという事例は尊重すべきで、それを成し遂げた作家の才能は素直に尊敬できるものです。

書き手がアイディアで勝負することを望むのであれば、その線をたどるのもアリでしょう。

しかし、文章力が不要なものかといえば、そうではありません。

書くことを武器に戦うのであれば、本来、それを捨てていいはずがないのです。

先に挙げたベストセラー作家も、文章力に難がみられたのは初期のころの話です。

それから毎年のように本を書き、何十冊も出版を続け、今では相当な文章力を身につけています。

自分のセンスを重視することは大事ですし、アイディアをひねりだす努力も当然必要になるでしょう。

そもそも「物語としておもしろい」と「小説として出来がいい」は似て非なるものです。

どちらか片方をとる、というように捉えてはいけません。

自分のセンスを妄信することは、自分の文章を磨かない理由にはならないのです。

アイディアやセンスと文章力を掛けあわせれば、もっと良い作品に仕上がるでしょう。

書き手である以上は良い文章を書くことに妥協せず、常に向上心をもって執筆していきましょう。

■ 参考

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