読み手の心をつかむ「問題」の設定

今回は、問題提起の設定について考えましょう。

ここでいう問題提起とは、作品全体から浮かび上がるテーマやメッセージの類ではありません。

いわば、その作品の「つかみ」のことです。

物語の序盤で婚約者が行方不明になったり、主人公が不治の病にかかったりといった、「この先はどうなるんだろう」「どういうふうに解決するんだろう」と思わせるような場面のことです。

問題提起のポイントは、いかに読み手の興味を引くことができるかです。

そのためにも、扱う題材は読み手の実感に訴えかけるものを選ぶべきです。

極端な例ですが、中高生向けの作品に「国際情勢」を絡めた問題提起を取り入れたとしましょう。

この場合、書き手がよほど気を配らない限りは問題提起として機能しません。

国際情勢という題材が若者にとって難しいものであるのはもちろん、身近に感じられない問題を提起されたところで、なかなか響きづらいからです。

中高生向けであれば、恋愛の悩みとか、友人関係のもつれとか、大人への不満とか、そういった切り口から設定すれば、身近に感じられるはずですね。

このように、問題提起は読み手の実感と合致させることが重要です。

理想としては読み手の心にピンポイントで突き刺さるような問題を提起することです。

「広く浅い」よりも「狭く深い」ほうがより引き付けることができます。

ただし、書き手がそれを狙ったところで、そう上手くはいかないでしょう。

問題提起の設定は、過度に神経質になるようなものではありません。

要するに、その世界の価値観において読み手が納得するような問題を提起すれば良いのです。

「自分の恋人が親友と浮気をした」をつかみとして。

読み手にその経験がなかったとしても、問題の大きさは実感に近い領域で想像できますね。

シチュエーションでいえば、どこかに拉致されて閉じ込められたり、自分に危害を加える敵に囲まれたりする問題も同様です。

的外れな設定さえしなければ、読み手と問題を共有することは可能なのです。

書き手であれば、「どのような読み手に向けて書くか」を初めに考えるはずです。

その具体例のひとつが、今回の内容でもあります。

読み手の実感に合致する問題を提起し、より魅力的な物語を書いていきましょう。

■ 参考

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