「意外性」で読み手を裏切る

今回は、物語に意外性をもたらすための考え方をご紹介します。

内容としては、こちらの記事を発展させたものです。

■ 読み手の憶測を把握する

憶測を把握したあと、書き手はどうすべきなのか。

まずはこれについて考えましょう。

わかりやすく書きたいのであれば、憶測どおりの展開で進めるのもひとつの手です。

どのように読まれていくのかを自覚することで、読み手に必要とされる情報を的確に提示できまるようになります。

スラスラと読める文章にするには、これが正攻法でしょう。

しかしながら、創作の場合は話が変わってきます。

とくに、物語を書くとなれば、憶測どおりの展開は避けたほうが良いでしょう。

読み手の憶測どおりに展開された物語は、「ありきたりな作品」や「既視感のある作品」、あるいは「つまらない作品」として評価される可能性があります。

つまり、物語のなかに意外性をもたらすには、読み手を裏切る展開を考えることが必要なのです。

たとえば、物語の流れから、読み手に次のような憶測を立てさせたとしましょう。

● 「きっと犯人はこの人物だろう」

● 「たぶんこんなカラクリがあるだろう」

● 「おそらくこんな秘密が隠されているだろう」

書き手はタイミングを見計らい、この憶測を裏切ります。

● 「きっと犯人はこの人物だろう」

⇒ まるで見当違いだった

● 「たぶんこんなカラクリがあるだろう」

⇒ 予想を上回るギミックが設定されていた

● 「おそらくこんな秘密が隠されているだろう」

⇒ 想定していたよりも深く大きな秘密があった

裏切りがひとつでも実現されれば、読み手を「あっ!」と驚かせることができます。

その驚きこそが「意外性」であり、物語をおもしろくさせる要因となるのです。

もちろん、読み手を裏切るには、前フリがしっかりしていることが前提となります。

読み手の憶測を把握し、そのとおりに進むと”見せかけた状態”で物語を構築していきます。

そして、あらかじめ用意しておいた「憶測を上回る展開」をもって驚かせるわけですね。

読み手からすれば、作中にある「裏切りからもたらされる意外性」がもっとも大きなカタルシスになります。

とくにエンタメ小説では、物語の主軸にしても差し支えない「読みどころ」でもあるのです。

自分が描いた物語に平坦な印象を感じた場合は、意外性が足りないのかもしれません。

おもしろい物語にするためにも、良い意味で読み手を裏切りましょう。

■ 参考

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