「変わった要素」を取り入れる
今回は、おもしろい物語を書くための心得についてご紹介します。
おもしろい物語を書くためには、前提として変わった要素を取り入れる作業が必要になります。
これについて具体的に考えていきましょう。
取り入れるべき変わった要素には、主に3つのパターンがあります。
「人物」「出来事」「状況」です。
これを、普通ではないように描くのです。
まず最初に、人物から考えていきましょう。
変わった人物がいれば、その人を物語の主軸にすることができます。
たとえば、「生まれてから一度も外に出たことがない人」を描くとします。
閉じ込められた経緯や外に出たときの感情、その人の生涯は物語になり得るはずです。
次に、出来事です。
普通では考えられないような出来事は、物語が始まるきっけけとなります。
恋愛小説で「彼女の浮気」を扱うとしましょう。
いわゆる一般的は浮気は、当事者からすれば大問題ですが、創作で扱うとなればもの珍しさが足りません。
そこで「浮気相手が主人公の姉だった」とすれば、LGBTに関する問題も含め、大きな心の動きを描くことができますね。
最後に、状況です。
展開そのものは平凡だったとしても、変わった状況を作ることでおもしろい物語は成立します。
大きな枠組みでいえば、特殊な社会の設定です。
「70歳までに死ななければならない法律が制定された」とか、「人工知能による適性診断で職業が決まることになった」とか。
中くらいの枠組みでは、「異常な風習が残る村」だったり、「現代にそぐわない価値観をもつ宗教団体」だったり、変わったコミュニティを舞台に設定します。
小さな枠組みでは、「何者かに拉致されてしまった」や「エレベーターの中に閉じ込められた」など、普通ではない状況を作るのです。
もちろん、3つの要素を組み合わせることも可能です。
● 主人公が学校から帰ると、家族全員の人格が変わっていた(出来事)
● 父親だった人は女装をしながら家事をして、母親だった人は半裸で寝そべりタバコを吸っていた(人物)
● 助けを呼ぶために外へ出ようとしたら、携帯電話を取り上げられ、自宅に軟禁された(状況)
ありきたりな日常を描いた物語であれば、読み手の心を動かすことは難しいでしょう。
描いた内容が群を抜いて美しかったり、切り口がかつてないほど斬新だったりすれば別ですが、やはりかんたんなことではありません。
変わったことを考える作業なしに、おもしろい物語を書くことはできません。
逆に、たったひとつでも変わった要素を思いついてしまえば、その内容が立派な物語になるでしょう。
■ 参考
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません