三段構成で考える小説の展開
前提として、創作として書く文章は自由であるべきです。
したがって、文章の型に縛られる必要はなく、書き手の思うがままに書いたとしても誰からも文句は言われないでしょう。
ただし、押しなべたときに見えてくる傾向や、ある程度のセオリーを知っておくことは、書き手にとってマイナスではありません。
今回は、三段構成から小説の展開を考えてみます。
三段構成といえば、「序論・本論・結論」の型が有名ですね。
小論文などで使われるこの型は、小説にも広く活用されています。
どのように展開されるかについて、詳しく見ていきましょう。
序論では、問題を提起します。
たとえば、「主人公がどこかの地下室に閉じ込められる」としましょう。
この問題を読み手と共有しながら、物語を進めていくわけです。
どのような問題を設定するかによって、作品の質が決まるといっても過言ではありません。
重要度としては、もっとも高いパートですね。
本論では、問題を解決します。
主人公が地下室から脱出するために、さまざまな策を講じるわけです。
何かしらの手がかりを見つけ、脱出するまでを本論とします。
問題を解決するため、行動や考察を展開していくパートですから、ここは物語の本筋にあたる部分ですね。
したがって、ここに割く文章の量は全体を通じてもっとも多くなるのが通常です。
結論では、まとめに入ります。
脱出に成功した主人公を描きます。
ハッピーエンドとして締めたり、新たな試練が待ち受けているように終わらせたり、ここで物語をまとめるのです。
全体の構成から考えれば、文章の量はそれほど多くならないはずです。
ただし、ここは「読後感」を担うパートでもあるため、その重要度は高いといえます。
このようにして、物語を展開していくわけです。
三段構成を主軸に考えましたが、このなかに細かな「起承転結」をもたらすことも当然可能です。
物語ですから、どこに「転」を配置するかがポイントにもなりますね。
ご紹介した「型」は非常にざっくりとしたもので、そこに埋め込んだ「展開」も大まかなものです。
しかし、たとえ長編小説でも、型や展開を分析してみると意外にシンプルにまとめることができます。
お気に入りの小説を読み返して、どのように構成されているかを考えてみましょう。
■ 参考
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